BCNは9日、全国の大手家電販売店から収集した実売データを集計する「BCNランキング」にもとづいた、「デジタルカメラ」「薄型テレビ」「携帯オーディオ」における売れ筋の分析結果を都内にて発表。今回は、薄型テレビの動向について、BCNアナリストである道越一郎氏による解説をご紹介したい。

まだまだ続くか? エコポイント効果

薄型テレビ市場では、エコポイント効果が継続。8月の販売台数前年同月比は52.2%増、金額ベースでも28.7%増となっている。台数が伸びていても、金額は伸びないという昨今の傾向に反して、「金額も伸びていることは市場が"活況"であることを表している」。ただ「ピークは7月だったのではないか」と道越氏。エコポイントが既に常態化し、心理的な効果が小さくなっているうえ、省エネモデルであることは「当たり前になっている」と指摘していた。また、売れ筋製品の大型化に一服感。録画機能付きモデルが14.3%まで拡大しており、「大型化以外の付加価値戦略へと今後は突入していくだろう」としていた。

薄型テレビ全体の販売台数・金額前年同月比

金額面では、30型台の平均単価が「1月に底を打ったと思われた」が更に下がり、10万円を切る水準まで下落するなど懸念点も挙げられた。しかしながら、下落が進む液晶に対して、プラズマの30~40型台の平均単価は上昇傾向にあるという。これは、「プラスマが"目的をもって購入する"というニッチな市場になりつつあることを反映しているのではないか」と分析していた。

画面サイズ別台数比率

画面サイズ別平均単価

販売台数メーカーシェアでは、1位のシャープと差はあるものの、薄型テレビのボリュームゾーンである30型台の販売を伸ばした東芝が2位に浮上(2009年8月現在)。「低価格路線」、そして「比較的小さめなサイズを扱っている」ことが東芝シェア拡大を後押ししているようだ。

薄型テレビにおけるメーカーシェア

東芝の液晶サイズ別台数構成比

録画機能搭載率

このほか、エコポイントの恩恵で、BDレコーダーも微増ながら拡大。金額も前年比増をキープしているという。

レコーダー全体の販売台数・金額前年同月比

BD/その他別販売台数構成比