イニングが変われば隣の男性も替わる―。野球観戦しながら男女の出会いを楽しむことができる「婚活シート」に応募が殺到している。女性の抽選倍率10倍という人気を集めたものもあり、球団などでは「予想をはるかに超える反応」と独身男女の"熱意"に驚いているようだ。

婚活シートに座るのも"狭き門"

「婚活シート」の仕組みは、男女が交互に座り、イニングの経過に合わせ男性だけが移動していくなかで、隣り合った者同士で野球観戦を楽しみ、フィーリングの合う相手を探すというもの。日本ハム球団が7月11、12の両日に札幌ドームでの試合に、各日男女それぞれ100人ずつの「KONKATSU(婚活)シート」を用意したのが始まりだ。このときの応募人数は定員をはるかに超える2,860人で、7割近くが女性。球団側は急きょ定員を150人ずつ2日間で計600人に増やしたが、特に女性では抽選倍率が6倍を超える"狭き門"となった。成立したカップルは2日間で62組と、こちらも「予想以上の多さ」(球団側)。「『野球』という共通の話題があり、会話が弾んだ」といった感想が多かったという。

日ハムでは第二弾をシルバーウィーク中の今月21~23日の3試合で実施する予定(各試合男女60人ずつ)だが、男性656人、女性1919人の応募があり、抽選倍率は男性が3.6倍、女性では10倍と第一弾をさらに超える人気ぶり。同球団は「今年のトレンドである『婚活』を採り入れた企画。これまで球場に足を運ぶことのなかった人にも野球に興味を持ってもらえる機会になる」と話している。

他球団や"本家"イベント会社も

婚活シート人気には他球団も注目。中日球団では名鉄観光からの提案を受けて、今月19日の横浜戦(ナゴヤドーム)に合わせたイベント「中日ドラコンズDE婚活」を開催予定。野球観戦をバスツアーに組み込んだ形の"豪華版"で参加料は男性13,000円、女性10,000円。野球観戦後には結婚式場での2次会があり、移動中の車内でも自己紹介の時間や男性が替わるシャッフルタイムなどを設けた。7月下旬から受け付けを開始したが、1週間後には予定数の120人を超える180人(キャンセル待ち約40人)となり、締め切った。愛知、岐阜、三重の東海3県以外からの申し込みも3割あり、担当者は「遠方からの参加者が多く驚いた。同じ中日ファン同士のパートナーを見つけたいという人が多いのでは」と話している。

クローバーOSAKA婚活シート

婚活イベントの"本家"ももちろん見逃すわけがない。お見合いパーティーなどを企画してきたクローバープランニング(大阪市)は、10月5日に京セラドーム大阪であるオリックス×楽天戦で、「クローバーOSAKA婚活シート」を開催する。5回のシャッフルタイムとペア抽選会などがある。同社の担当者は「婚活と野球のコラボは今"旬"。(日ハム企画の)婚活シートのために関西から北海道まで行った人もいるとのリサーチもあり、ぜひ関西でも実施しようと考えた。これまで実施してきたお見合いパーティーや合同コンパで培ったノウハウを生かすことができるのでは」と話している。募集は18歳以上の男女それぞれ30人。参加料は男性が7,500円、女性が6,500円。詳しくはこちら