財務省は8日、7月の国際収支状況(速報)を発表した。貿易収支/サービス収支/所得収支/経常移転収支の4項目から構成される「経常収支」は1兆2,656億円の黒字で、前年同月比で3,037億円(19.4%)減少した。対前年同月比で16カ月ぶりの黒字幅拡大となった6月から再び縮小に転じた形となった。

貿易収支は4,373億円の黒字。輸入の減少幅が輸出の減少幅を上回ったことから、黒字幅は、対前年同月比で1,299億円(42.3%)拡大した。輸出は4兆5,456億円で、対前年同月比2兆7,438億円(37.6%)の減少。輸入は4兆1,083億円で、対前年同月比で2兆8,737億円(41.2%)の減少。これは、比較可能な1986年以降の調査のなかで、先月に次ぐ大きな減少幅となる。

財務省国際局の担当者は貿易収支の状況について、「輸出額、輸入額ともに長期間にわたって前年比で減少しているが(輸出は10カ月連続、輸入は9カ月連続減少)、輸出額の減少幅はだいぶ収まってきた感じがある。ただ、輸入額は原油価格の下落が反映され、減少幅が拡大しており、その結果(貿易)収支のバランスとしては改善したという形だ」と話している。

また、サービス収支は、金融、特許等使用料などが含まれる「その他サービス」の赤字幅が拡大したことが影響し、2,833億円の赤字。対前年同月比では赤字幅は646億円(28.9%)拡大。所得収支は前年同月比で3,986億円(24.2%)減の1兆2,468億円の黒字。「証券投資収益」で、受取の減少幅が支払いの減少幅を上回ったことなどが響いた。