オンライン外国為替証拠金取引サービスを提供するFXCMジャパンは14日より、スプレッドをインターバンクの取引環境に極限まで近づけた新取引サービス 「TSタイト」の提供を開始する。
同社はこれまで、1万通貨を最低取引単位に「トレーディングステーション」を提供してきた。しかし、取引単位が小さいため「インターバンク市場よりもスプレッドがやや広い状況になる」(同社)という課題が存在した。
今回提供する「TSタイト」は、最小取引単位を10万通貨とすることで、小口化によるコスト高を排除。インターバンクの取引環境により近いタイトなスプレッドを提供することが可能になったという。同社は「最低取引単位が10万通貨であっても問題がない、取引量の多い投資家の方には、『TSタイト』をご利用いただくことで、値動きの少ない相場環境でも売買益を得るチャンスが拡大することが予想されます」と話す。
具体的には、主要通貨において「トレーディングステーション」におけるスプレッドの約1/2を実現(インターバンクの実勢により変動し想定より広がる場合があり)。提示レートはインターバンクの実勢レートに即し、1/10クオートでリアルタイムに反映する。また、投資家の注文を一件毎に全てインターバンクへダイレクトに結ぶことにより、「ディーラーによる取引制限等で取引機会を失わせることがないフェアな取引環境」(同)を提供したい考えだ。
さらに、従来の「トレーディングステーション」と同様、迅速かつストレスなく取引できるTradingStation2.0プラットフォームを適用するほか、インターバンクにダイレクトで取引注文をつなぐDMA方式を採用。34種類の高機能テクニカル分析チャートを提供する「Market Scope」、携帯電話からのクイック入金やアラートメール機能といった利用料無料のコンテンツも用意される。
一方、取引手数料は10万通貨単位あたり往復630円(税込)。外国為替証拠金取引を提供する会社の多くは、取引手数料を無料にして、スプレッドで収益をあげるモデルが一般的だが、同社は「本来インターバンク市場を取り次ぐブローカーは、銀行が提示するレートをそのまま提示することでスプレッドをタイトにし、別途、取引手数料を徴収することで、クリアな取引環境を提供するのが一般的」と説明。そうした背景を受けて「TSタイト」では、インターバンク市場を取り次ぐブローカーと同じスタイルを採用することで、インターバンク市場と同様の取引環境を、取引量の多い投資家に提供することに踏み切ったという。