以下ではこれら以外の、個別の製品の強化点を紹介しよう。

Team System 2010

Visual Studioに含まれるTeam System 2010(TS2010)では、UML対応を含むモデリング機能の拡大、管理や証跡などテスト機能の強化、テスト環境の仮想化であるLab Managementの実装、Team Foundation Server(TFS)のインストールの容易化が、新機軸だ。

Visual Studio TS2010の全体像

Data Access開発

アプリからより使いやすい形にするため、DBやオブジェクトに対してクエリによるアクセスを可能にするという。

ADO.NETの全体像

Entity Frameworkでは、POCO(Plain Old CLR Object)や遅延ロードの実装などが、主な柱だ。

Entity Frameworkの概念

Windowsアプリケーション開発

基本的にはWPF(Windows Presentation Foundation)であり、DataGrid/Calender/DataPickerの実装やDataBindingの強化が目玉といえる。「Windows 7の新機能を使うには、事実上WPFしか選択肢が無くなるといえます」(新村氏)という。

WPFの新機能

Webアプリケーション開発

Webアプリケーション開発においては、MVC(Model-View-Control) Frameworkを選択肢の1つに加えた。また、AJAXやWeb配置も強化する。

ASP.NETの全体像

ASP.NET AJAXの新機能

基礎機能の強化

従来はマルチコアCPUへの対応が追い付いていなかったとし、マルチスレッドへの対応を強化する。

マルチスレッドでの並行処理の概念

プログラミング言語の強化

VBでの暗黙的な改行(行末のアンダーバーが不要になる)、Visual C#でのオプション引数やDynamic型のサポート、マルチパラダイムのプログラミング言語であるF#の追加などが柱だ。

最後に新村氏は、「開発者がスキルをさまざまな環境において発揮していくことを、Visual Studio 2010と.NET Framework 4によってサポートします」と締めくくった。