先週開催されたマイクロソフトのイベントTech・Edでは、テクニカル セッションの1つとして、「Visual Studio 2010 & .NET Framework 4 概要」が設けられた。
マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 開発ツール製品部 シニアプロダクトマネージャの新村剛史氏が講師を務め、新技術のデモを交えた解説が行われた。
本稿では、今回呈示された主な強化点や変更点を中心に紹介する。
「アプリケーションの形態は、クライアント/サーバからクラウドへと変化していきます。それに合わせて、さまざまなテクノロジや言語が登場しています。これらを.NETとVisual Studioでカバーし、さまざまなアプリケーション形態を網羅していきます」と、新村氏は開発の背景を語る。
またADO.NETやASP.NET、SilverLightなど.NETがサポートするシナリオを示した上で、新村氏は「これらを全て.NETテクノロジとVisual Studioで、一貫してサポートしていきます」と、全体像を示す。
Visual Studio 2010の特徴
Visual Studio 2010の特徴としては、1)新しい技術・トレンドへの対応、2)開発者の生産性と柔軟性の向上、3)新しいプラットフォームへの対応が挙げられるという。
新しい技術やトレンドに対しては、クラウドコンピューティングへの対応や並列処理への対応強化を進める。開発者の生産性と柔軟性の向上は「常に追い求めていく姿勢が重要だと考えています」(新村氏)と語り、具体的には開発者支援の強化やツール類の改善を進めていく。
新しいプラットフォームとしては、Windows 7やWindows Server 2008 R2に加えて、Windows Azureにも対応させるという。
IDE(統合開発環境)では、スタートページのXAML(Extensible Application Markup Language)によるカスタマイズが可能になり、Call Hierarchyや選択した変数のハイライト機能を搭載する。この他、デバッグ機能やTDD(テスト主導型開発)支援機能を強化する。
階層構造を見直す.NET Framework 4
「.NET Framework 4では、複雑になった階層構造を見直し、整理します」(新村氏)という。また、従来は小数点以下のバージョン番号を使用してきたが、.NET Framework 4からはSilverLightやWindowsなどと同様に、製品のバージョンとしては小数点以下を使用しない方針を示した。