宮藤官九郎脚本の舞台『印獣』の製作発表が31日、都内で行われ、主演の三田佳子らが出席した。

前列左から、宮藤官九郎、三田佳子、河原雅彦、
後列左から、岡田義徳、古田新太、生瀬勝久、池田成志、上地春奈

本作は、3人の作家がある屋敷に呼ばれ、自称・大女優の女主人から、自叙伝を共同で執筆するよう依頼されるストーリー。果たして女主人の目的は? 印税生活を夢見る3人のサスペンス・コメディーだ。

謎の女主人を演じる三田は、クドカン作品は初めての出演。前日の衆院選での政権交代を挙げ、「昨日、日本の政治も変わりました。三田佳子も"チェンジ"を」と所信表明を掲げ、これまで貫いてきた正統派・大女優のイメージを脱ぎ捨てることを宣言した。さらに、「大変な内容ですが、やるっきゃない(笑)。こういうキャラクターを演じさせていただけるのは、宮藤さんのおかげ。(演劇界の)若い人たちに、"もういらない"って言われないように、自分の思いもかけないところを出していきたい」と意気込んだ。

一方、宮藤については"才能の塊"と絶賛し、「女優として一緒にやれたらいいけれどやれないだろうなと思っていた。そんなすごい人に、こんなにめちゃくちゃに書いていただいて、ほんとにありがたい」と会場を笑わせ、三田独特のラブコールを送った。

三田は、本作出演を「計り知れない"チェンジ"だと思う」と、気持ちを新たに役作りに挑む

宮藤は「『鈍獣』よりも、いい意味でひどくなってる。三田さんが今、横に座っているのが、当たり前だけどびっくり(笑)」と、不思議な様子だった

また、目が回るほどの展開だという脚本に、「まず9歳の少女から、圧巻のかぶりものをしたり…」とネタばらしにもなるコメントで、演出の河原雅彦から慌てて「全部言っちゃうの!?」と制止される場面も。いろんな役どころに扮装することを明かした三田は、「精一杯頑張って、生きて帰りたい」と、役者人生を懸けて舞台に挑む決意を新たにしていた。

前日に、松方弘樹から「僕は三田さんに"松方くん"と言われる立場だから何も言えない」と、アドバイスを拒否されたと明かし笑いをとった古田

三田から、自分の代わりにコメントするよう求められ、「断れない…」とタジタジの河原

『印獣』は、演劇ユニット"ねずみの三銃士"こと生瀬勝久、池田成志、古田新太が企画した舞台の第二弾で、第一弾の『鈍獣』(2004年公演)は、脚本の宮藤官九郎が岸田國士戯曲賞を受賞し、浅野忠信主演で映画化された。

舞台は、東京公演・パルコ劇場10月13日(火)~11月8日(日)を皮切りに、以降、札幌、大阪、名古屋、新潟、福岡で順次公演