効果的なダイエット方法としてさまざまなものが紹介されている昨今。しかし、そうした情報の中には根拠や信憑性が低く、時に惑わされてしまうことも多い。そこで、「燃やすエネルギー : あなたの日常生活を燃料にするための究極の食品栄養学」の著者の一人で、国際食物情報委員会財団の栄養士Jenna A. Bell-Wilson氏が科学的根拠に基づき提案する「ダイエット、5つのジレンマと解決法」を紹介する。

ジレンマその1 : 低カロリーの甘味料でも太る? あるいはもっと食べたくなったりする?

アスパルテームなど低カロリーの甘味料を砂糖の代用品として利用するのはいい。しかし、科学的調査では、こうした甘味料がエネルギー消費や、食欲の増進に影響を及ぼすということはなく、減量には関係ない。

ジレンマその2 : 夜食べると太りやすい?

体重の増加は食べる時間よりも食べる量に起因する。夜遅くに食べると太ると思われがちだが、たとえ夕方に食べたとしてもそれが1日に必要な総カロリーを超えるような高カロリーの食事なら体重は増える。

ジレンマその3 : 特定の食品で脂肪が燃焼される?

咀嚼や消化・吸収によってカロリーは消費される。しかし、特定の食品によって消費量が影響を受けることはない。脂肪を燃焼させる最善策は、運動による筋肉強化。筋肉量の増強により、脂肪が燃えやすい体質になる。

ジレンマその4 : 低脂肪・無脂肪=カロリーゼロ?

低脂肪食というのは、総カロリー摂取量を減らし、飽和脂肪酸を下げることができるので心臓への負担を抑えることができる。しかし、低脂肪・無脂肪はカロリーゼロというわけではなく、むしろ糖分を増加させることで脂肪分を減少させているという場合もある。また、アボカド、ナッツ、種子、植物性油脂、魚に含まれるようなモノエン脂肪酸やポリエン脂肪酸は身体にいい脂肪分。ダイエットでは、飽和脂肪酸を多く含むバターや肉の脂肪の塊といった脂肪分を控えること。

ジレンマその5 : 急激なダイエットで減量できる?

減量は健康的で持続的に行うべき。即効薬の利用や急激なダイエットは栄養不足に陥るだけで長続きできない。バランスがよく、カロリーを抑えた、野菜中心の食生活と、日々の運動を心がけることが重要。