フィンランドのNokiaは8月27日(現地時間)、Linuxベースの小型ネット端末「Nokia N900」を発表した。OSにMaemo 5を搭載している。同プラットフォームでは、マルチメディア機能やサードパーティ開発者のサポートが強化されている。N900は"Internet Tablet"シリーズ「N810」の後継機種という位置づけだが、同社は「(ハンドセットのような)コンパクトサイズでコンピュータ・グレードのパフォーマンス」とアピールしており、そのためInternet Tabletを製品名から外した。ネット端末/多機能携帯向けのモバイルアプリで先行するAppleのiPhone/ iPod touchを意識した製品と言える。
N900は本体サイズが110.9×59.8×18ミリ(重さ181グラム)。128×72×14ミリ(同226グラム)のN810よりも一回りコンパクトだが、中身は格段にパワフルである。CPUはARM Cortex-A8(600MHz)、OpenGL 3Dグラフィックス・アクセラレーションをサポートする。タッチスクリーンがN810の4.13インチから3.5インチに小さくなったものの、解像度は同じ800×480ピクセルだ。32GBのストレージを内蔵し、microSDカードを使ってさらに16GBを追加できる。Carl ZeissTessarレンズを採用した500万画素カメラを装備。静止画のほか、800×480ピクセルのMPEG-4ビデオを最大25fpsでキャプチャできる。
インターネット接続用の通信機能は無線LAN(802.11 b/g)または10/2 HSPA。Mozillaの技術を用いたMaemoブラウザを搭載し、Adobe Flash 9.4をサポートする。コミュニケーション機能は、電話、インターネット電話、IM、SMS、電子メールなど。コンタクトが1つのアドレスブックに統合され、またテキストメッセージやIMの会話に1つの画面からアクセスできるなど、コミュニケーション・サービスの下で各機能が連係する。プリインストールされているNokia Messagingは最大10個の電子メールアカウントに対応。スライド式のQWERTYキーボードがスムースなコミュニケーションをサポートする。
Bluetooth 2.1、GPS機能、FMトランスミッタ機能などを装備。インターフェイスはmicro-USB 2.0。バッテリー駆動時間はWCDMAでの通話が最長5時間、GSMで同9時間。アクティブなオンライン利用で最長1日となっている。
発売時期は2009年10月。推定小売価格は500ユーロだ。