ソニーは26日、BDレコーダーの新モデル、5機種を発表した。新機種では、録画・再生・ダビングの操作をわかりやすくガイドするメニュー画面「らくらくスタートメニュー」を新たに搭載した。価格はオープン。
高画質/高音質モデルの「BDZ-EX200」。2TBのHDDを搭載する |
1TBのHDDを内蔵する「BDZ-RX100」 |
5000GBのHDDを内蔵する「BDZ-RX50」 |
320GBのHDDを内蔵する「BDZ-RX30」 |
320GBのを内蔵するデジタルシングルチューナー搭載の「BDZ-RS10」 |
これまでの同社BDレコーダーの製品ラインナップは、ハイビジョン番組の録画/再生向けのTシリーズ、ハイビジョンハンディカムやサイバーショットとの連携機能を搭載したLシリーズ、高画質/高音質モデルのXシリーズ、ポータブル機器との連携機能を装備したAシリーズといったように、それぞれ性格が異なるモデルとしてリリースされていたが、今回、すべてのラインナップを刷新。フラッグシップモデルのBDZ-EX200は、高画質/高音質モデルとなっているが、基本的にシリーズごとに異なっていた機能が統合されたものとなっている。
例えば、従来は、一部のモデルに限られていた「おでかけ転送」(録画したタイトルをウォークマンやPSP、携帯電話などに高速転送する機能。著作権保護にも対応しており、デジタル放送などを録画したタイトルも転送可能)とDLNAサーバー機能のソニールームリンクは、BDZ-EX200/RX100/RX50で、利用可能(シングルチューナーモデルとダブルチューナーのローエンドモデル以外は利用可能)。また、USBポートも全機種に搭載。全機種で、ハイビジョンハンディカムなどからのムービーを無劣化で取り込むことが可能になった。これに伴い、取り込んだムービーや写真を利用して、メニュー付きのBDを作成する機能も新搭載されている。メニューは、カレンダーライクなものとなっており、撮影日のところに、撮影したムービーや写真のサムネイルが表示される。
新しくなったポイントはラインナップの刷新だけではない。最も大きな変更点は、ユーザーインターフェイスの追加。同社のレコーダーでは「XMB」(クロスメディアバー)と呼ばれる独自のホームメニューを採用している。メニュー自体が縦横にスクロールすることで、素早く目的の機能、あるいはタイトルにたどり着けるというものだが、今回は、一般的なレコーダーに採用されているような「らくらくスタートメニュー」も採用している。同メニューは、「タイトルを再生する」「番組を録画予約する」「放送中の番組を見る」「ダビングする」「使い方を知りたい」という5つの項目を持つメニュー。同社によると、「BDは普及期に入ってきており、VHSからの乗り換えユーザーといったように、デジタルレコーダーを使用した経験のないユーザーも増えてきている。そういったユーザーにとってはXMBは、若干敷居が高いため、今回、一般的なメニューを採用した」とのことだ。なお、らくらくスタートメニューは、リモコンに用意されている「らくらくスタートメニュー」ボタンを押すと起動する。通常のスタート時や、ホームボタンを押した場合には、従来どおりのXMBが立ち上がる。
機能面では、フルハイビジョン映像を、最大8倍にまで圧縮して録画することが可能な「インテリジェントエンコーダー」が新採用されている。また、映像の動きなどに応じて、ビットレートを動的に変化させる「新ダイナミックVBR」の採用により、高圧縮を行った場合でも、破綻の少ない映像を楽しむことが可能だ。
また、「スカパー!HD」からの録画にも対応した。対応するスカパーチューナーを接続することで、ハイビジョン録画が可能になる。スカパー!HDからの録画に対応したのはBDレコーダーとしては初。
また、同社のレコーダーでは、録画時にシーンの切れ目などで自動的にチャプターマークを入れる「おまかせチャプター」機能が搭載されていたが、これが新モデルでは「Wおまかせチャプター」に変更されている(シングルチューナーモデルを除く)。従来のおまかせチャプターは、内蔵されているチューナーのうち「録画1」で録画した場合にのみ機能したが、Wおまかせチャプターでは、2台のチューナーどちらで録画したものでも、つまり「録画1」「録画2」のどちらに録画した場合でも(同時に録画した場合も含む)、自動的にチャプターを振ることが可能となっている。
高画質回路の「CREAS」も「CREAS 2」へと進歩。従来の「CREAS」では、8bitの映像を14bit相当に拡張する「HDリアリティエンハンサー」と10bitパネルに14bit相当の表現力を与える「Super Bit Mapping Video」とにより、テレビの種類にかかわらず、高画質化を実現していた。「CREAS 2」では、これらの機能に加えて、モニター別画質プリセット機能とクリアブラック機能が搭載されている。モニター別画質プリセット機能は、「Super Bit Mapping Video」の部分の機能拡張で、「液晶テレビ(明るい部屋)」「液晶テレビ(暗い部屋)」「有機ELテレビ」「プロジェクター」「プラズマテレビ」の5種類のプリセットされたパラメーターにより、使用しているテレビの種類にマッチした映像を送り出すことを可能とするもの。また、クリアブラックは、夜間の映像などで、全体のバランスを変えずにつややかな黒を表現することで、映像全体をクリアに見せるというものだ。
なお、BDZ-EX200にのみ「CREAS 2」の機能をさらに拡張した「CREAS 2 plus」が搭載される。CREAS 2plusは、CREAS 2の機能に、縦横、斜めのグラデーションを滑らかにする「スムージング」機能、アニメ映像の輪郭のぼけを除去する「アニメ・CGリマスター」機能、圧縮時に失われた映像情報を高精度に補間する「クロマアップサンプリング」機能を追加したもの。また、BDZ-EX200は、2系統のHDMI出力を装備。この2系統の出力を、1系統は映像用、もう1系統は音声用と分離することで、より高品位な伝送を行う「HDMI AV独立ピュア出力」機能も搭載している。
搭載デジタルチューナー | 内蔵HDD容量 | 発売日 | 推定小売価格 | |
BDZ-EX200 | 2基 | 2TB | 11月上旬 | 28万円前後 |
BDZ-RX100 | 2基 | 1TB | 9月19日 | 18万円前後 |
BDZ-RX50 | 2基 | 500GB | 15万円前後 | |
BDZ-RX30 | 2基 | 320GB | 9月12日 | 12万円前後 |
BDZ-RS10 | 1基 | 10万円前後 |