NTTドコモと東京大学医学部附属病院は、モバイル情報機器を活用した医療情報環境の構築に関する共同研究を行う社会連携講座「健康空間情報学」を開設すると発表した。同講座は9月1日より4年間、東大病院22世紀医療センター内に設置される。
社会連携講座は、東京大学と共同研究を実施しようとする民間機関等から受け入れる経費等を活用し、学部および研究科などの教育研究を行う講座で、大学院組織などに設置されるという。2008年10月から運用が開始され、今回設置された健康空間情報学講座は東京大学大学院医学系研究科・医学部における初めての社会連携講座となる(東京大学全体では5番目)。
健康空間情報学講座では、現状で受診した医療機関ごとに分散して保管されている個々人の各種医療情報の統合化した利用や医療機関におけるより一層の医療情報活用など、医療情報環境に関する課題の解決に取り組む。モバイル情報機器を活用して、個々人が自らの健康を管理し、より自分にあった医療を受けられる環境を整備すること目的としている。
ドコモは、移動通信事業で培ったノウハウ、技術を活用し、医療機関ごとの診療データや個々人が測定したバイタルデータなどの医療情報をモバイル情報機器で仮想的に統合するための技術を研究開発するという。東大病院は、保有する医療技術、情報システム技術、医療現場の知見を活用し、より高品質な医療の提供を実現するための医療情報環境の実証研究を行う。
両者は今回の共同研究を通じて、医療情報システムの技術革新と普及に努めるとともに、当分野における人材を育成し、個々人の健康増進と社会の発展に貢献するとしている。