ソフトバンクモバイルは21日、「ユビキタス特区」プロジェクトとして、総務省へ1.5GHz帯を用いたLTEシステムの実験試験局の免許を申請したと発表した。本実験免許の交付を受け次第、フィールド実証実験を行う予定。
LTEは、無線伝送方式としてOFDMを、空間多重方式としてMIMOを用いた無線通信方式。3.5世代携帯電話の方式のひとつであるHSDPAに比べて大幅なパフォーマンスの向上が図れる。OFDMとは直交周波数分割多重方式のことで、地上デジタル放送などで用いられている変調方式。MIMOとは送受信に複数のアンテナを用いて伝送速度や伝送品質を向上させる無線通信技術。
今回の実験では、1.5GHz帯を用いたLTEフル仕様に準拠する双方向の実証実験を実施する。これに併せて、複数の基地局装置を1カ所に集中して設置し、基地局アンテナだけをビルの屋上に配置する「光張出し基地局構成」の基礎実験、隣接する基地局が協調して携帯電話と送受信を行う「複数基地局協調伝送方式(ECO-LTE)」の基礎実験を実施する。
実験は、福岡県北九州市八幡東区内にある3局の実験用基地局で、免許交付日から2010年3月31日まで行われる。