キヤノンは20日、コンパクトデジタルカメラの新製品として、「PowerShot(パワーショット)」シリーズより、アナログ感覚の操作を楽しめる「PowerShot S90」、バリアングル液晶搭載の「PowerShot G11」、望遠ズーム機「PowerShot SX20 IS/120 IS」の4モデルを発表。8月27日より順次発売する。
今回発表された新モデルの注目機能は、PowerShot G11とPowerShot S90に搭載された「すっきりクリアフォト」。発生したノイズを除去するという画像処理エンジン「DIGIC4」と、ノイズ発生が少ない高感度センサーを組み合わせることで、PowerShot G11では、従来モデル「PowerShot G10」と比較して、最大で2段分のノイズ低減効果をもつ。
すっきりクリアフォトでは、「オート」モードの最高感度をISO 1600にアップさせたことで、手ブレや被写体ブレを低減。さらに、「オート」モードストロボ使用時の最高感度もISO 800に進化させたほか、ダイナミックレンジを大幅に拡大し明暗差が大きいシーンにも対応。最高ISO 12800の「ローライト」モードを搭載するなど、暗所での撮影にも効果を発揮する。同社では、「高画素ではなく"高感度"という新しい提案をしていきたい」という。
また、PowerShot G11、PowerShot S90、PowerShot SX20 ISでは、シャッターボタンを半押しした状態でもピントと露出を合わせ続ける「サーボAF/AE」を搭載。撮影シーンを自動で判別して最適な設定にする「こだわりオート」機能の判別シーンを従来の18種類から22種類としている。
PowerShot S90
PowerShot S90は、F2.0の光学3.8倍ズームレンズを搭載した100.0(W)×58.4(H)×30.9(D)mm、重さ約175gのコンパクトボディを採用。RAW記録にも対応し、「i-コントラスト」で撮影時も撮影後も画像を好みの演出に変更できる。また、「P」「Av」「Tv」「M」「C」に対応したマニュアル機能も装備する。発売は10月中旬を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は5万円前後。
同製品では、アナログテイストの操作感が楽しめる「コントローラーリング」を鏡筒部分に採用したのが特徴。コントローラーリングとコントローラーホイールを組み合わせることで、素早く撮影条件設定ができるようになった。
コントローラーリングを回すことで、ISO感度を液晶を見ながら1/3段刻みで調整したり(ISO 80~3200の間で設定可能)、「グリーン⇔マゼンタ」「ブルー⇔アンバー」の2次元マップ上で色味を確認しながら微調整できるほか、28mm、35mm、50mm、85mm、105mmの5つの画角に切替可能。また、「ノスタルジックモード」では、彩度を段階的に落とし、粒状感やボカシを強めてセピアカラーの色味を調整できるなど、コントローラーリングを駆使してさまざまな操作が可能となっている。
さらにデザイン面では、天面にレザートーン、ボディにはマット調、操作部材の縁取りには高輝度、と全体をブラックで統一しつつも異なる質感で表面処理をし、高級感を演出したという。
撮像素子は1/1.7型有効1000万画素CCDを採用。焦点距離は28-105mm(35mm判換算)。開放F値はF2.0-F4.9。撮像感度はオート/ISO 80-3200に対応(ローライトモード時は最高ISO 12800)。記録メディアはSDカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード/MMCplusカード/HC MMCplusカード。動画は最大で640×480/30fps(MOV)。
PowerShot G11
PowerShot G11は、約46.1万ドット2.8型のバリアングル液晶を搭載する光学5倍ズーム機。発売は10月中旬を予定しており、価格はオープン。推定市場価格は6万円前後。
同製品ではバリアングル液晶を活用し、ローアングルやハイアングルの撮影にも対応するほか、光学ファインダーを活かした「クイック撮影」にも対応。クイック撮影では、シャッターボタンを押す前から被写体にフォーカスや露出を合わせ続けており、シャッターボタン半押し後に素早く撮影することができる。また、ホワイトバランスの補正量を「グリーン⇔マゼンタ」「ブルー⇔アンバー」の2次元マップ上で微調整することも可能だ。さらに、シーンに応じて、ストロボ同調シャッタースピードを自動調整し、シャッタースピードの上限を最大で1/2000秒(従来機種:最高1/500秒)にアップさせた。
デザイン面では、ISOダイヤルとモードダイヤルを2段重ねに配置。グリップ部には革シボ調の加工を施し、しっかりとしたホールド感を実現している。このほか、デジタル一眼レフ「EOS」シリーズと共通でアクセサリーを使用可能となっている。
撮像素子は1/1.7型有効1000万画素CCDを採用。焦点距離は28-140mm(35mm判換算)。開放F値はF2.8-F4.5。撮像感度はオート/80-3200に対応(ローライトモード時は最高ISO 12800)。記録メディアはSDカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード/MMCplusカード/HC MMCplusカード。動画は最大で640×480/30fps(MOV)。本体サイズは、112.1(W)×76.2(H)×48.3(D)mm、重さ約355g(本体のみ)。
PowerShot SX20 IS/120 IS
PowerShot SXシリーズからは「PowerShot SX20 IS/120 IS」の2モデルが発表された。発売はどちらも8月27日を予定しており、価格はオープン。推定市場価格はPowerShot SX20 ISが5万5,000円前後、PowerShot SX120 ISが3万円前後。
PowerShot SX20 ISは、超望遠の光学20倍ズームを誇る、「PowerShot SX10 IS」の後継機。従来機種より高精細化を図り、撮像素子は1/2.3型有効1210万画素CCDを採用。ステレオ音声でのHD動画撮影にも対応した。こだわりオートも22シーンを自動判別。サーボAF/AE、i-コントラスト、目つむり検出などの各種機能も新たに装備する。また、バリアングル液晶モニターによる自由な撮影スタイルが楽しめる。
焦点距離は28-560mm(35mm判換算)。開放F値はF2.8-F5.7。撮像感度はオート/80-3200に対応(ISO 3200では200万画素相当)。記録メディアはSDカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード/MMCplusカード/HC MMCplusカード。動画は最大で1280×720/30fps(MOV)。本体サイズは、124.0(W)×88.3(H)×86.9(D)mm、重さ約560g(本体のみ)。
PowerShot SX120 ISは、光学10倍ズームを搭載する、「PowerShot SX110 IS」の後継機。画像処理エンジンには新たに「DIGIC4」を採用し、撮像素子も1/2.5型有効1000万画素CCDに進化させている。こだわりオートの対応シーンは18種類。初心者でもかんたんに操作できる「らくらくモード」を装備しつつ、中級者向けに「マニュアル撮影」機能も備え、"家族みんなで使えるカメラ"を目指している。ボディには黒曜石をイメージした輝度の高いブラックカラーを採用しており、重さは約245gとなっている。
焦点距離は36-360mm(35mm判換算)。開放F値はF2.8-F4.3。撮像感度はオート/80-3200に対応(ISO 3200では200万画素相当)。記録メディアはSDカード/SDHCメモリーカード/マルチメディアカード/MMCplusカード/HC MMCplusカード。動画は最大で640×480/30fps・30fpsLP(AVI)。本体サイズは、110.6(W)×70.4(H)×44.7(D)mm。