現在、テレビ東京ほかにて放送中のTVアニメ『毎日かあさん』。そのエンディングテーマとなる「ただいま」は、「ひろみちお兄さん」こと佐藤ひろみちが担当している。NHK『おかあさんといっしょ』で"体操のお兄さん"として活躍した佐藤がなぜエンディングテーマを歌うことになったのか? 6月24日に「ただいま」を収録した『毎日かあさん』のCDが発売されたのを記念して、その経緯をはじめとするさまざまな話を"ひろみちお兄さん"に語ってもらった。

6月24日に発売されたTVアニメ『毎日かあさん』の主題歌CD


佐藤ひろみちが語るTVアニメ『毎日かあさん』EDテーマ「ただいま」

――まず最初に、TVアニメ『毎日かあさん』のEDテーマ「ただいま」を担当することになったきっかけを教えていただけますか?

佐藤ひろみち

「きっかけは、お声をかけていただいたということなのですが(笑)、実は今回の担当の方は、以前『恐竜キング』のエンディングテーマを歌わせていただいたときと同じ方だったので、その流れでお話をいただいたのだと思います。『恐竜キング』でお仕事をさせていただいたときに僕が聞いたのは、『"歌のお兄さん"と"体操のお兄さん"を間違えていませんか?』っていうことですね。担当の方は『もちろんわかっていますよ』というお話だったのですが(笑)。それがあったので、今回のお話をいただいたときは、『また来たか』っていう感じでした」

――歌を歌うのはお好きですか?

「歌は好きですよ。上手い下手は別にしてね(笑)。歌は好きですが、実際にこういう形で歌うことになるとは思っていなかったです。『恐竜キング』のときも振り付けだけだと思っていましたから、最初は」

――最初に「ただいま」の曲を聴いたときの感想はいかがでしたか?

「『これはちょっと難しい曲だな』って思いました。すごくメッセージがあるけど、重くは歌えないなと。感情を入れすぎるとジメっぽくなってしまうので、軽く歌いながらもメッセージはきっちり伝えるという微妙なさじ加減が難しそうだと感じました。『毎日かあさん』という作品のストーリーも含めて、本当にいろいろなことを考えましたね」

――レコーディングはいかがでしたか?

「前回もそうだったのですが、僕はレコーディングのときは、まず最初に通しで歌わせていただくんですね。そこから、ここはこうしてくださいとか、ここはどうしましょう、といったキャッチボールを行いながら細かいところを直していって、そして最後にもう一回、通しで歌わせてもらうんですよ。これが僕のパターンになっていますね」

――やはり、通しで歌わないと気持ちが乗ってこないですか?

「そうですね。僕の悪い癖なのですが、どうしても最初は軽くなってしまうんですよ。歌っているうちにだんだん気分が乗ってくるのですが、それがなかなか遅くて」

――何度も歌って、そして最後にベストを出すという感じですか?

「ベストに"近い"ものを出せるように頑張りました(笑)」

――「ただいま」を聴いた周りの方からの反応や評判はいかがですか?

「あまりそういった評判は聞かないようにしているんですよ、怖いので(笑)。先ほども話しましたが、歌うこと自体は好きなのですが、人前で歌うことはほとんどないんですよ。カラオケにもあまり行きませんし。車の中などで一人で歌っているのは、誰にも迷惑がかからないので問題ないんですけどね(笑)。ただ、毎年コンサートなどをやらせていただいて、その数を重ねていくうちに、『歌い方』ということについては、だんだんわかってきたかなって思っています」

――「ただいま」の歌詞やメロディーで気に入っているところなどはありますか?

「『親になるとわかる』というところがいっぱい出てくるんですよ、たった3分ぐらいの歌の中に。当たり前のことじゃないですか、『ただいま』っていうのは。でも、それを『今日もいえるのが幸せ』っていうフレーズはすごくいいと思いますし、『君の寝顔は天使』なんていうのは、本当にそう思いますね、僕自身が子どもの寝顔を見るたびに。この歌の歌詞には、家族を持つようになって実感できることばかりが詰まっていると思いますので、ここがいいよねっていうよりも、歌全体を見てほしいですし、聴いてほしいと思います」

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