100円という低価格を実現した新ジャンル

イオントップバリュは7月24日、新ジャンル(第3のビール)「トップバリュ 麦の薫り」を発売した。ここでは、同社取締役商品本部長・堀井健治氏のコメントを交えながら、商品概要やその味わいを紹介していこう。

同商品はプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の商品で、商品開発はサントリーとの共同である。品目は「リキュール(発泡性)①」にあたり、発泡酒(麦芽、ホップ、糖類)とスピリッツ(小麦)が原材料となるいわゆる新ジャンルだ。

新ジャンル「トップバリュ 麦の薫り」(写真は350ml缶)

価格は350ml缶が100円、500ml缶が145円と破格である。販売店は、「ジャスコ」や「イオンスーパーセンター」、「サティ」、「マックスバリュ」などグループ31社、約3,700店と限定されるが、この価格は消費者にとっては魅力的だろう。販売目標は、年間3,000万本とのことだ。

※コンビニエンスストア「ミニストップ」では116円で販売される

ビールらしい薫りと爽快な飲みごたえ

味わいは、「苦みのないビールの旨み」「のど越しの良さ」「口当たりの良さ」などが特徴だという。低価格でありながら品質にもこだわっており、ビールらしい薫りと爽快な飲みごたえを実現するため、次の3つのポイントに注力したとのことだ。

1つは、厳選した旨味麦芽(窒素成分が多いもの)を使用すること。もう1つが、深井戸から採水された天然水を使用すること。最後に、2段階でホップを仕込み、コクと後味の香り・味わいの両方を追求したこと。この3つのこだわりを持ちながら、100円の新ジャンルを実現したのである。

実際に試飲してみると、このジャンルにありがちなツンととがったアルコール感がなく、バランスよくまとまっている。アルコール分5%を感じさせないやわらかな仕上がりで、暑い夏にはよく冷やしてから飲むといいだろう。

発売前日に大規模なサンプリングを行った。写真中央はイオントップバリュ取締役商品本部長・堀井健治氏。「この商品は我々の本気度を見せる品質になった」(堀井氏)

グラスに注いだビールをイメージしたというパッケージデザインは、手頃な印象を与える。また、同商品は同ジャンルのビール系飲料に比べて2割程度安くなっており、ショーケースに並んだときの価格のインパクトがとても強い。

発売日の前日には、東京・六本木にて1万本のサンプル配布イベントが行われた。人が人を呼び、スーツ姿の男性、若い女性から年配の方まで老若男女がやってきて、サンプルを手に取っていく。

イオントップバリュの取締役商品本部長・堀井健治氏によると、2002年に缶チューハイをPBで発売して以来、今回が25番目のアルコール飲料となるそうだ。テレビCMなど大規模な広告展開は一切行わずにコストを削減し、100円という価格を実現したという。

家計にやさしいビール系飲料を誕生させた同社。今後も引き続き新しいPB商品を開発していくという。会社として「地域との共生」に取り組んでいることから、いつかPBの地ビールを手掛けるかもしれないとのことだった。