真剣な眼差しで「夏休み自由研究体験教室」に参加するご家族。講師役の飯田先生の声に耳を傾ける。

「子供たちに安全で楽しいインターネットの使い方を学んでもらおう」。若年層化が進むインターネット利用環境を鑑み、トレンドマイクロが2004年から取り組み続けている「夏休み自由研究体験教室」が今年も開催された。6度目となる今回は、定員の3倍もの応募が殺到し、22組のご家族が参加。

コンピュータに潜むウイルスの危険性や、ウイルスに感染するとどのような事態を招くのかを、親御様のみならず、実際にインターネットを利用する子供たちにも判りやすいように"ゲーム感覚"を取り入れながら説明。近年関心度が高まりつつある環境問題を日本人初の"プロの環境パフォーマー"こと、らんま先生の化学実験用いたパフォーマンスによって、驚きと面白さで伝える体験型のプログラムで啓蒙していた。

プロの環境パフォーマーとして、また環境省認定の「環境カウンセラー」として活躍されているらんま先生。何故女の子が傘を差しているかは内緒です。

さすがは環境パフォーマー。子供のハートはもちろん、親御様の心までをも鷲掴みにするパフォーマンスは驚きに満ちあふれ、面白く、そしてためになる。

好奇心旺盛な子供たちから鋭い質問が飛ぶ

「夏休み自由研究体験教室」がスタートすると、ざわめいていた教室の場が一変した。講師役を務めるトレンドマイクロ飯田朝洋(いいだともひろ)先生が優しく語り掛け始めると真剣に先生の話に耳を傾けて一言一句を逃さぬようノートにメモをする子供の姿も見受けられ、さながら「講座」と化した。今回のイベントに参加した子供たちのパソコン利用率は高い。

講師役を務めたトレンドマイクロ、サポートサービス本部コアテクノロジーサポートグループ、スレッドモニタリングセンター所属の飯田朝洋先生。優しく語りかける姿は、本物の先生のよう。

学習意欲や好奇心も旺盛で、真剣に学ぶ姿勢がみられた。だが、そういった「講座」的雰囲気を和らげる配慮にも抜かりはない。先般社会問題にまで発展した新型インフルエンザの例を挙げ、"風邪"という身近な話題を切り口にコンピュータでも同じように「健康ではない状態」になってしまう、と子供にもわかりやすいカタチでコンピュータウイルスに対する脅威をレクチャーしていく。

そして、コンピュータがウイルスに感染するとどうなるか、という実験では「やりたい!」「やってみたい!」と子供たちが勢いよく挙手した。教室開始直後の緊張も解け、好奇心で眼がキラキラと輝いている。逆に親御様たちは、より一層真剣にメモを取るなど緊張感が高まっていたのが対照的だった。

やはり、参加した子供たちはみな好奇心旺盛で「実験に参加したい人!」の先生の声に一斉に手を挙げる!逆にあまりの反響の良さに先生が「じゃあ、実験3回くらいしよっか」とたじろぐ姿も。

実験は、ふたりの子供に協力してもらうカタチとなった。まず、パソコンを2台用意し、1台をその場で実際にウイルスに感染させる。そして、ひとりが感染したパソコンで4桁の数字を入力し、もう片方がそれを暴くというゲーム感覚で行われた。入力を見ていないはずの子供がいとも簡単に数字を読み取ってしまう、その姿に参加者一同驚きで静まりかえる場面も。

実際にEメールを経由してパソコンをウイルスに感染させている様子。参加者は、メールに添付されていたファイルを実行しただけ、という認識しか抱かなかったという。ウイルスに感染したら、もっと派手に壊れていくものかと思った方も。 。

だが、好奇心旺盛な子供から「僕も、私もやってみたい!」との声が上がり、二回目には「6桁の数字」という命題が出された。アルファベットも追加し、工夫したにも関わらず、それでも一瞬にして入力した文字が盗み見られてしまう、ということを目の当たりにした参加者たち。特に親御様はショックを隠せない様子だった。

ウイルスに汚染されたパソコンでこっそり入力してももう一台のパソコンにその情報は筒抜け状態に。キーロガーに類するウイルスの「静なる怖さ」に驚く声も多かった。と同時に、もう一台の「入力した文字情報が判ってしまう」パソコンの画面がどういったものだったのか見たかったとの意見も。

ここで先生が、「このように入力した文字情報が読み取られたら、どんなことが起こるかな?」と子供たちに投げかけると、「銀行の番号を調べてお金を取られちゃう」「パスワードがばれちゃう!」といった意見が数多く上げられ、ウイルスによる危険性が着実に子供たちに浸透・理解している様子が見て取れた。

休憩中にお母さんと息子さんで参加されたご家族にお話を伺ったところ、「コンピュータウイルスって、意外と地味なんですね」とお母さん。息子さんは「もっとバイ菌マークみたいなのが出てきて"感染したぞ!"って判るのかと思ってた」と、カスケードやチェルノブイリといった昔ながらの"破壊型"ウイルスを想像していた様子。

「あれじゃいつ感染したのか判らないですね……」とも。お母さんは「できれば、ウイルスを利用(悪用)している側のパソコンの画面が見たかったのに残念」ともおっしゃっていた。今回の参加により、確実に静かなる破壊者コンピュータウイルスへの意識は高まり、セキュリティを充実していかねば、という気持ちが芽生えたという。

予防する方法はインフルエンザもコンピュータウイルスも一緒

最終的なまとめとして、「インフルエンザのような風邪も、コンピュータが健康な状態でなくなっちゃうのも防ぐ方法は同じなんだ」として、感染しないための3原則を参加者全員が理解し、実践して欲しいと締めくくられた。その3原則とは以下のものだ。

インフルエンザやコンピュータウイルスに感染しないための3原則

・いつも健康な状態にしておくこと

(風邪)十分な睡眠を取る
(コンピュータウイルス)いつもソフトを最新の状態に保つ

・ウイルスを近づけない

(風邪)手洗いとうがいをこまめに行う
(コンピュータウイルス)怪しいメール、サイトは開かない

・ウイルスを体(パソコン)の中に入れさせない

(風邪)マスクをつける
(コンピュータウイルス)ウイルス対策ソフトを使う

また親御様向けに、「ウイルスバスター」のフィルタリング機能を紹介。有害サイトへのアクセスに制限を設ける、ユーザーアカウントごとにアクセス規制を施す、インターネットに接続できる曜日や時間帯を設定するWebアクセスのスケジュール機能などを利用し、子供たちに健全で楽しいインターネットを利用してもらいたいと訴えていた。

このような機会を設けられれば、デジタルネイティブ世代に「コンピュータウイルス対策はしていて当たり前」という意識を浸透させることができる。より一層インターネットが便利で楽しく、有益なツールであることを周知させる活動は必須と痛感した。トレンドマイクロには、更なるセキュアなインターネット環境の実現のため、今後も社会全体に"セキュリティへの意識"に対する種蒔きをし続けてもらいたい。