チャンスを逃さないフルプレススナップ
操作面ではフルプレススナップが注目機能といえる。従来機にスナップモードというピント合わせを2.5mに固定する置きピン機能があった。シャッター半押しの必要なく、一気にシャッターが切れると人気を集めた撮影モードである。フルプレススナップはこれをより実用的にしたものだ。従来機はAFモードをスナップモードに切り替える必要があり、この切り替えが面倒だった。GR DIGITAL IIIのフルプレススナップは、シャッター半押しでは通常通りAFが動作し、一気に押し込む(フルプレス)と置きピンで撮れるというものだ。置きピンの距離は1m、2.5m、5m、無限遠から選択可能。背面操作ボタンの上カーソルを押した状態でアップダウンダイヤルを操作すると、ピント合わせの距離を変更できる。AFと置きピンを自在に使い分けることができ、スナップシューターとしてより使い勝手が向上している。
フルプレス時の手ブレが気になる場合は、「ON ISO AUTO-HI」に設定すれば安心だ |
プレAFは「マルチAF」と「スポットAF」設定時に有効になる。バッテリーを消費しやすいので、適宜オンオフしたい |
プレAFのサポートも見逃せない新機能だ。これは被写体の動きに合わせてAF駆動する機能。AF予備動作により、ピント合わせを高速化するのが狙いだ。プレAFはシャッターボタンの半押しが必要なく、常時被写体の動きを追いかける。便利な反面バッテリー消費が大きくなるため、初期設定ではオフになっている。
お気に入りの設定はマイセッティングBOXへ
操作系カスタマイズの新機能を見ていこう。GR DIGITAL IIIは新たにマイセッティングBOXを搭載した。従来マイセッティングは、モードダイヤルの「MY1」「MY2」に直接登録していたが、マイセッティングBOXは最大6つまでカメラ側に登録でき、必要に応じてモードダイヤルの「MY1」「MY2」「MY3」に呼び出すというものだ。GR DIGITALはモノクロ、TE(セピアなどの調色)、スクエアフォーマットなど、多彩な撮影スタイルを提案してきた。こうした機能を適宜使い分けるユーザーが多いだけに、ニーズの高い機能といえる。
登録直後のマイセッティングは年月日が名称として割り当てられるが、これは後から液晶上で好みの名前に編集可能。さらに登録したマイセッティングの内容を一覧表示でき、各項目のエディットも行える。このエディット機能が実に使いやすい。GR DIGITAL IIIの操作系はずいぶんと洗練されているが、それでも各項目をひとつずつ設定していくのは手間がかかる。とりあえず適当なセッティングのまま登録し、マイセッティングBOXの一覧上でエディットした方がスピーディーだ。なお、モードダイヤルのマイセッティングは従来の2つから3つに増え、Fnボタンは従来の左カーソルに加え、セルフタイマーボタンもFnボタンとして利用できるようになった。…つづきを読む