ソニーは6日、コンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」の新製品として、従来比2倍の高感度対応CMOSセンサーを搭載した「DSC-WX1」「DSC-TX1」の2製品を発売すると発表した。DSC-WX1は24mmスタートでF2.4の明るく広角のレンズも搭載、DSC-TX1は3.0型のタッチパネル付き液晶を搭載する。発売はDSC-WX1が9月18日、DSC-TX1が9月4日で、価格はオープンプライス。推定価格はそれぞれ4万円前後、4万3,000円前後。
今回の2モデルに搭載されたCMOSセンサーは、裏面照射型構造と呼ばれる新技術を投入したセンサー「Exmor R」。センサー自体は08年6月に開発発表され、今年1月にHDムービーカメラに初めて搭載されたもの。今回、これを初めてデジカメに搭載した。
従来、レンズから入った光はフォトダイオードに達する直前にあった配線層に邪魔され、一部の光が届かない状態だった。裏面照射型では、配線層とフォトダイオードを反転させ、光が邪魔されずに入射するようになったことで、従来比約2倍の感度を実現。従来は光量が足りないとデジタル処理でゲインアップしていたが、それが減少することで、ノイズは1/2になったという。これによって、暗所でもより高画質な写真撮影を実現している。
いずれも有効1,020万画素1/2.4型Exmor Rセンサーを搭載。高速処理が可能な画像処理エンジン「BIONZ」は、色再現性の向上と色ノイズの低減をさらに進化させた。
今年3月に発表されたCMOSセンサー搭載デジカメ「DSC-HX1」と同様に、10コマ/秒の高速連写が可能。メカニカルシャッターを搭載することで、CMOS特有の動体歪みを押さえた高速連写を実現。
Exmor Rによる低ノイズに加え、高速連写した6枚を合成して1枚の画像を生成、ランダムノイズをさらに1/2に低減させる「手持ち夜景モード」を搭載。より低ノイズで、手持ちでも夜景を撮影できるようにした。同様に「人物ブレ軽減モード」では、被写体ブレと手ブレを押さえた画像を生成できる。
DSC-HX1と同様に、カメラを横に振りながら撮影するだけでパノラマ画像を生成できる「スイングパノラマ」機能を搭載。高速連写機能を生かし、短冊形に最大100枚の画像を連続撮影し、それをカメラ内で組み合わせることで、DSC-WX1で最大256度、DSC-TX1で最大185度のパノラマ撮影ができる。
そのほか、従来の機種と同様に顔検出機能「顔キメ」、笑顔を検出して自動撮影する「スマイルシャッター」、シーンに応じてカメラが自動で最適な設定で撮影する「おまかせオート撮影モード」、音楽付きスライドショー再生「音フォト」などの機能を搭載。
DSC-WX1は、レンズに35mm判換算24-120mmの光学5倍ズームレンズを搭載。ソニーの高級レンズ「Gレンズ」となっており、F値はF2.4-F5.9と、このクラスとしては明るいレンズを搭載した。背面液晶は2.7型23万ドットのクリアフォト液晶で、ISO感度はISO 160-ISO 3200、720pのHD動画撮影機能も搭載する。本体サイズは90.5(W)×51.8(H)×19.8(D)mm、約120g。
DSC-TX1は、レンズにカール ツァイス「バリオ・テッサー」を採用。35mm判換算で35-140mmの光学4倍ズームとなっており、F値はF3.5-F4.6。液晶は3.0型23万ドットのワイド「クリアフォト液晶プラス」で、指でタッチして操作できるタッチパネルを搭載する。タッチパネル操作では、従来に比べて操作性を向上させたほか、強化ガラスによって約2倍の強度を実現した。ISO感度はISO 160-ISO 3200、720pのHD動画撮影機能も搭載する。本体サイズは93.8(W)×58.2(H)×16.5(D)mm、約119g。