オープンプラットフォームのグラフィックス関連APIの規格を策定・統括する団体Khronos Groupは8月3日 (米国時間)、2D/3DグラフィックスAPIの最新版「OpenGL 3.2」をリリースした。昨年8月にOpenGL 3.0仕様が公開されてから2度目となるメジャーアップデート。パフォーマンス、ビジュアル品質、加速度位置処理の改善が施された。同団体によると、OpenGL 3.2互換のGPUはインストールベースで1億5000万ユニットを超える。

OpenGL 3.2では、バーテックスアレイやフェンス同期オブジェクトのパフォーマンス強化によって、CPUまたは複数のCPUスレッド、GPUの間でリソースを共有する際のアイドリング時間を短縮した。またシェーダーがテクスチャ・サンプルを直接的に処理できるようになり、キューブマップの品質やマルチサンプリングのレンダリングの柔軟性が向上。ジオメトリシェーダーを含むパイプラインのプログラマビリティの改善など、幅広いGPUにおいて開発者が恩恵を受けられるアップデートとなっている。

なおOpenGL Architecture Review Board (ARB)ワーキンググループは、OpenGLシェーディング言語のアップデート版となるGLSL 1.5を策定した。OpenGL 3.2仕様では新規開発用のCoreプロファイルと、従来のOpenGL標準との互換性を提供するCompatibilityプロファイルの2種類が用意されている。

このほかKhronosは、OpenGLを通じた最新のグラフィックス機能へのアクセスをサポートする5つのARB拡張を規定した。これらは各機能の普及が確認された後に今後のアップデートでOpenGLに吸収される。