日産自動車は2日、リチウムイオンバッテリー(以下Li-ion電池)を搭載した量産電気自動車(EV)「リーフ」を発表した。2010年度後半に日本、米国、欧州で発売する予定。価格は未定だが、Cセグメントの車両と同等の競争力を持たせたいとしている。なお、同車のプラットフォームについては先に発表されている。
リーフという車名は、自然界において植物の葉が大気を浄化するように、リーフが走行時の排出ガスをなくすという意味で付けられたという。90kW超の出力を発生するラミネート型Li-ion電池と、80kW/280Nmを発揮する電気モーターを搭載することで、従来のガソリン車と同等のレスポンスと操作感を持つという。また、Li-ion電池と協調回生ブレーキシステムの搭載により、1回のフル充電で160km(100マイル)以上の航続距離を可能とた(US LA4モード走行時)。充電時間は、急速充電器を使用すると30分以内で電池容量80%までの充電が可能。また、200Vの普通充電では満充電まで約8時間となる。
ボディは、5人乗り5ドアハッチバック。快適性と居住性、広い荷室を確保するため、新シャシーと車体レイアウトを採用。コンパクトな新型Li-ion電池をフロア下に配置することにより、後部席のレッグルームとヘッドルームに、快適なスペースと空力性能とを確保している。
クリーンなイメージと知性を感じるデザイン、優れた空力と風音性をめざしたというエクステリアは、V字型の特徴的な低いフロントエンドに、大型LED式ヘッドランプを配置。ボディから突き出た独特のヘッドランプは気流を分散してドアミラーを避け、風切り音と空気抵抗を低減させたという。青く光る内蔵反射型デザインを採用することで、ヘッドランプが消費する電力を従来のヘッドランプの10%に抑えた。また、ブルーをEVのアイコンカラーとしており、ボディ色をはじめ、インテリアやダッシュボードのアクセントやイルミネーションにもブルーを採用している。
グローバルデータセンターに24時間接続可能なゼロエミッション車専用ITシステムを搭載。センターコンソールに搭載されたモニターには、エネルギー残量に応じた到達可能エリアや充電ステーション位置が表示される。また、エアコンと充電機能は、スイッチを切った状態で携帯電話を使って遠隔操作することが可能で、リモートコントロール・タイマーによって、予めバッテリーの充電開始時間を設定しておくこともできる。