日産自動車は27日、2010年度に北米や日本で発売する電気自動車(EV)のために新しく開発した専用プラットフォームと、同プラットフォームをベースにした実験車両を公開した。また、24時間つながるEV-ITサポートなど、独自開発の新技術を発表した。

EV専用プラットフォームをベースにした電気自動車(実験車両)

リヤビュー

今回公開したEVは、専用プラットフォームに高剛性車体と高性能モーター、高出力大容量リチウムイオンバッテリーを採用。高い走行性能を持ちながら、電気自動車の魅力となるスムーズな加速と圧倒的な静粛性を実現しているという。

自社開発の新しい80kW・280Nmのモーターを搭載。加えて、独自のモーター制御により、スムーズな加速を達成した。また、総容量24kWhの薄いラミネート型のリチウムイオンバッテリーを床下に配置し、航続距離の確保と十分な居住性を両立している。ブレーキ時の減速エネルギーを有効活用する回生協調ブレーキや、平らな床下による空気抵抗の減少により、1回の充電で160km以上(US LA4モード)の航続距離を可能としている。車体骨格にバッテリーを支える構造体を設け、合わせてバッテリーパックにフレームを内蔵した構造を採用。これにより車外からの音や振動を抑制したという。

また、グローバルデータセンターと、車両に搭載する通信ユニットを活用した4つの「EV-ITサポート機能」を備える。「航続可能エリア表示」はスイッチを押すだけで、いつでもナビゲーション上に航続可能なエリアを表示するもの。「充電スタンド自動更新」は周辺の充電スタンド位置の最新情報を地図上に表示する。「タイマー機能」はエアコンや充電の開始時間を事前に設定できる機能で、乗車前にコンセントからの電力でエアコンを作動させ、車載のバッテリーを消費することなく、車室内を快適な状態にできる。「EVリモートコントロール・モニタリング機能」は、クルマから離れていても携帯電話やWebでEVのバッテリー充電量などがモニタリングできるほか、充電のオン/オフ、エアコンのタイマー設定なども可能にする。なお、新型EVは8月2日にデザインが公開される。

急速充電スタンド

急速充電のコネクター

通常充電も可能

EV専用プラットフォーム

バッテリー

インバーター

モーター

非接触充電 ※将来技術

コネクターを接続しなくても充電する