米MicrosoftはEuropean Commission(EC: 欧州委員会)に対して、次期OS「Windows 7」の欧州版に、ユーザーが任意でデフォルトWebブラウザを選択・インストールする仕組みを設ける提案を行った。

ECは今年1月、WebブラウザとOSの抱き合わせ販売がEU競争法に反するとしてMicrosoftに異議告知書(Statement of Objections)を送付した。これに対してMicrosoftは6月、欧州版のWindows 7にInternet Explorer(IE) 8を搭載しないで販売する方針を明らかにした。しかしながらECが求めているのは消費者がWebブラウザを選択できる自由であり、WebブラウザのないWindowsではユーザーが戸惑うことになるという指摘が委員会内から出ていた。

Microsoftの新提案は欧州以外の地域と同じようにIE 8をデフォルトのWebブラウザとして出荷するが、ユーザーに複数のWebブラウザの選択肢を示す"Ballotスクリーン"を最初に提示する。同スクリーンを通じて、ユーザーは簡単にIE 8以外のWebブラウザをインストールし、デフォルト・ブラウザに設定できる。なおコンピュータメーカーはBallotスクリーンではなく、IE 8以外のWebブラウザをデフォルトとしてインストールすることも認められる。ECは声明の中でMicrosoftの提案を歓迎すると共に、「消費者の選択肢という点で有効な解決策であるかを精査する」としている。