無類の映画好きでもある竹中監督。本作は、「大好きなサム・ライミ監督やティム・バートン監督へのオマージュでもあるんです」

竹中直人監督の第6作目『山形スクリーム』の完成報告記者会見が、23日、東京・六本木で行われた。成海璃子、沢村一樹ら錚々たる顔ぶれが揃う中、竹中監督は変顔や山形弁も披露し、サービス精神満載の会見となった。

舞台に上がろうとして足を踏み外し、派手に転ぶなど、独特のパフォーマンスで報道陣を笑わせた竹中監督。「いつかホラー・コメディを作りたいと思っていて、満を持して撮った作品。キャスティングも完璧で、ここにキャストの皆さんがずらっと並んでいること自体、信じられない気分なのじゃー!!」とおどけたが、直後に我に返って照れ笑い。

本作は昨年夏、山形県内で撮影が行われたそう。「ホラー・コメディなので夜の撮影が多かったんですよ。山形のご家族も大変だったと思います。『寝れねえやぁ! こんなにうるさいんじゃ寝れねえやぁ!』とお父さんが叫ぶのを、お母さんが『抑えて! あんた抑えて! 山形が映画の都として生まれ変わろうとしてるんだから、我慢して!』と必死に引き止めたことも……なかったんですけど(笑)」、監督の軽妙な一人芝居に報道陣も大爆笑。実際には非常に協力的な雰囲気の中で撮影が進められたようで、「セミやカエルが鳴くと、録音の関係で大変なんです。でも山形ではセミもカエルも協力的で。撮影が終わってから田んぼに挨拶しに行ったくらい」と竹中監督らしいコメントが出る一幕も。

主人公の女子高生・美香代役の成海璃子。「普通の人として存在する唯一の役。他の登場人物は変わっている人が多いのですが…」

"エロ男爵"を封印した沢村一樹だが、「マイコさんとは、ちょっと下心があって食事しました(笑)」。しかし悩み相談に終始したそう

劇中、監督の発案で「ちんすこう!」と叫んだマイコ。「偶然にもちんすこうが好きなので、いい言葉だなと思いながらやりました」

EXILEのAKIRAは、「(本作で演じた)与藻須賀三太郎と別れるのが寂しくて、衣装を持ち帰りました。いまでもたまに着ています(笑)」

「山形の魅力をPRして」と言われると、急に"なんちゃって山形弁"になり、「山形はね、大自然に囲まれて、食うもんがとにかくうめえんだ! 空気もうめえし、時の流れが全然違うだよ。EXILEのAKIRAが、東京で仕事して山形に戻ってくると、『山形に来てほっとするっぺ~』って言ってたからな! 本当に山形はいいところだ!」。竹中監督の独演会と化した会場に、報道陣も爆笑の連続だった。

そんな監督の勢いに押されてか、いまや"エロ男爵"として名を馳せる沢村から、「あんなに長い時間、撮影現場で僕のエロ男爵の部分を封印したのは初めて」と意外なコメントが。ゾンビなのに汗が出るのは不自然だからという理由で、撮影中は誰とも口をきかなかったそう。沢村の徹底した役作りに、「彼は日本のジェレミー・アイアンズ。渋いなあと思って。僕の中では"エロ男爵"のイメージはないですね」と竹中監督も絶賛していた。

出演者とともに「山形! スクリーム!」と叫びつつ、なぜか変顔になる竹中監督。しかし報道陣から、「監督、普通で」と声がかかってしまい、思わず苦笑い

『山形スクリーム』は、8月1日より全国ロードショー。

都立紅女子高校の歴史研究会の美香代(成海璃子)、宙子、圭、胸恵は、顧問の勝先生(マイコ)と共に落ち武者の里、山形県・御釈ケ部村へ。ところが伝説だったはずの落ち武者たち(竹中直人)が復活、村人たちを次々に襲い始める

(C) 2009映画「山形スクリーム」製作委員会