意外にも本作が単独初主演という小雪。大金を手にした時の使い道を聞かれると、意外な答えが

映画『わたし出すわ』(森田芳光監督)の完成披露試写会が、22日、東京・新宿で行われ、主演の小雪、黒谷友香、井坂俊哉、小池栄子らが登壇した。

本作は森田監督にとって、『(ハル)』以来13年ぶりとなる完全オリジナル作品。今回が単独初主演となる小雪は、「監督と一緒に仕事をさせていただき、とてもいい経験になりました。タイトルのあまりのストレートさに戸惑いもありましたが、徐々に新鮮な気持ちになれたし、この内容の作品にふさわしいタイトルだと思います」と述べた。

他の出演者にとっても、『わたし出すわ』というタイトルは強いインパクトを与えた様子。マラソンランナー役の山中崇が、「タイトルを聞いた時、たぶん"ポロリ"があるんじゃないかと……。でも僕が一番裸に近い格好をしています」と話せば、養魚場の研究員を演じる小澤征悦も、「小雪さんが何を出すのかな? と思っていました。ちなみにスタッフからは、何回も『わたし出すわ』と発言するように言われています(笑)」。そのコメントに会場から笑いが起きた。

「大金を製作費に足すのを口実に、監督の次の作品に出させていただくとか。結果すごく嫌らしい方向に使うかも(笑)」と小池

黒谷友香は、「大金で自然がいっぱいある草原を買い取り、自分が過ごしたりみんなに遊んでもらったりする場所にしたい」

「大金があったら、バックパッカーになって世界中を旅したい」と話した井坂俊哉。いま最も行きたい場所はタイだとか

「僕を支えてくれた両親と姉に、大金で恩返しできたら」と小澤征悦。直後に「真面目に受け取られても困るけど…」と照れ笑い

山中崇は、「ダイソンが欲しいです。吸引力が変わらないただひとつの掃除機。…僕はダイソンの人間じゃないですよ(笑)」

森田監督は、「大金を手にしても、結局その額に見合った映画を作ることしかできないんじゃないかと思います。不器用なので……」

本作では、東京から故郷に戻ってきた女性・山吹摩耶(小雪)が、高校時代の友人たちの夢や希望をかなえるため、資金を惜しげもなく出していく。ストーリー内容にちなみ、MCから、「もし大金を手にしたら、どんな夢をかなえたいか?」と質問されると、「両親と姉への恩返しと、地球温暖化の問題をケアするために使いたい」(小澤)、「"女ねずみ小僧"のように、困った人たちにかっこよく渡すのも憧れますね」(小池)など、さまざまな意見が。小雪は「ケータリングの会社をやってみようかな。その会社で監督の作品にもう一度参加させていただくとか」と回答し、「本当に?」と尋ねる森田監督にも、「もちろん出資しますよ」と自信を見せていた。

自ら演じる摩耶について、「芯の強いところは私と似ているのではないかと思います。彼女ほど気前よくお金は出せないかもしれないけど……」と述べた小雪。「でも根底には愛があって、お金を出すという行為で人が幸せになったり、なにかを考えるきっかけになったりと、いろんなメッセージを感じられる映画に仕上がったと思います。共感できる部分もたくさんあるので、ぜひ楽しんでご覧になってください」と本作をPRした。

この日登壇した出演者は、劇中では高校の同級生という設定。世代が近いこともあり、終始和やかな雰囲気の舞台挨拶になった

『わたし出すわ』は、10月31日より恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9ほか全国ロードショー。