大井川鐵道は16日、井川線の営業開始50周年を記念したマスコットキャラクターの名前を発表した。男の子のキャラクターは「アルル」、女の子のキャラクターは「プルル」。命名は静岡県在住の増田穂乃佳さん(9歳)。井川線の愛称「南アルプスあぷとライン」に因み、アプトとアルプスに共通で使われている文字「ア」と「プ」を使ったという。「ルル」は強引に分解すると「ノレノレ」となるため、「2人合わせてアプトに乗れ乗れ」というメッセージも込めたとのこと。

アルル(アプトいちしろ駅出身)

プルル(長島ダム駅出身)

「アルル」と「プルル」はどちらも「アプトの妖精」という設定。「アルル」は気がやさしくてのんびり屋。しかし、いざとなると81トンを持ち上げる力持ちとのこと。81トンはアプト式電気機関車の能力に由来するという。好物は「かしわ餅」。「プルル」はきれい好きでおっとりタイプ。みんなを支える縁の下の力持ちとのこと。好物は「山菜そば」。

「アルル」の服と「プルル」が掲げている旗には、アプト式の仕組みが描かれている。アプト式とは、急勾配を運行するため線路に凹凸のあるレールを追加し、機関車に歯車を搭載して、かみ合わせて運行する方式とのこと。かつては国鉄の横川 - 軽井沢間で採用されていた。現在は日本で唯一、井川線のみで用いられているという。

大井川鐵道井川線「南アルプスあぷとライン」

同社はキャラクターのイラストを公開し、6月15日~30日まで命名募集を行った。応募者総数は695名で、札幌や島根、広島からも応募があったとのこと。同社は8月1日の千頭駅にて営業開始50周年式典を開催し、増田さんを招いて命名式を実施する予定。「アルル」と「プルル」は今後、井川線のパンフレットなどの印刷物や列車のヘッドマークに使用されるという。