キヤノンは16日、「iVIS(アイビス)」シリーズのデジタルハイビジョンムービー「HF S11」「HF21」を発表した。8月上旬発売予定で、価格はオープン。市場価格は、HF S11が15万円前後、HF21が13万円前後と予想される。

64GBのメモリーと高速なAFを装備する「HF S11」

専用のハウジングも用意され、水中撮影時の使い勝手もアップした「HF21」

HF S11は「HF S10」、HF21は「HF20」のそれぞれ後継モデルとなるダブルメモリータイプのAVCHDムービー。内蔵されるメモリーは、従来モデルの2倍となる64GBとなり、容量のアップやムービーデータの移動などに便利なSDカードスロットも装備される。これにより、内蔵メモリーだけでも約24時間30分、32GBのSDカードと組み合わせれば約37時間の撮影ができるなど、より長時間の撮影を可能とした。受光素子は、HF S11が1/2.6型のCMOSセンサー(動画有効画素数 約601万画素)で、HF21が1/4型のCMOSセンサー(動画有効画素数 約299万画素)。

従来機同様、「ハイスピードAF」も搭載される。一般的なAFでは、本体のCMOSセンサーによって得られる映像をもとにフォーカスを合わせていくが、ハイスピードAFでは、外測センサーが別に用意されており、フォーカスの合う近辺を素早く見積もり、そこからCMOSセンサーによって得られる映像を使った微調整という2段階の動作を行う。一般的なAFに比べて高速な動作が可能となり、とくに夜間など光量の少ない環境でのフォーカスの速さは大きな特徴だ。搭載されるレンズは、HF S11が光学10倍、HF21が光学15倍のHDビデオレンズ。

新モデルでは、手ブレ補正に「ダイナミックモード」を追加し、歩きながらのワイド撮影時でも手ブレを低減させることが可能となった。ワイド側での手ブレ補正効果は従来比で約14倍となっている。また、シーンモードも改良。新たに「夜景モード」が採用されている。夜景モードでは、低ノイズ撮影を実現するとともに、照明など、一部分のみが明るい場合でも、白とびが起こりにくい設定となる。さらに、顔検出機能「フェイスキャッチテクノロジー」では、主被写体が顔を横に向けた場合でも追尾を可能としている。

BGMをつけたショートムービーを作成できる「ビデオスナップ」機能にも改良が加えられている。従来、ビデオスナップ機能は4秒間の動画を撮影するための機能だったが、新しいビデオスナップ機能では、長まわしして撮影したムービーから、4秒間のビデオスナップを切り出すことが可能となった。

HF21は、オプションで用意された、水深40mの防水性能を持つウォータープルーフケース「WP-V1」(税別5万9,800円)にも対応。水中撮影モードと、新たに追加された水上撮影モードとを、防水ハウジングを外すことなく切り替えることができる。水中撮影を行ったあとで、水上で撮影しても、ホワイトバランスなどが崩れない。

このほか、ワンタッチで動画と静止画撮影の自動切り替えができる「デュアルショット」や、3秒前の撮影チャンスまで遡って撮影できる「プレREC」、顔検出機能を応用した再生時のシーン検索機能「顔ジャンプ/顔タイムライン」などの多彩な機能も搭載。より直感的な操作が可能となった新しい十字操作UIも採用し、操作性も向上させている。

デザイン面では、レザーブラック(HF21はグラファイトブラック)にダイヤモンドブラックを組み合わせるなど、プレミアム感の高いボディとしている。また、製品名称などの印刷色にはグレイッシュゴールドを採用した。

両モデルともに、第3世代映像エンジン「DIGIC DV III」を搭載。本体サイズは、HF S11が70(W)×69(H)×136(D)mmで、重さは約450g。小型軽量化を図ったHF21では70(W)×62(H)×124(D)mmで、約340gとなっている。