ウィルコムは13日、慶應義塾大学、国際医学情報センターが共同開発した汎用的なソフトウェア開発キット(Software Development Kit、SDK)について、9月中旬をめどに無償提供を開始すると発表した。

今回無償提供されるSDKは、経済産業省が進める情報大航海プロジェクトの実証事業の中で開発された。SDKを無償で利用できることで、「健康管理機器とスマートフォンを利用したアプリケーション、ソフトウェアサービスの開発が容易になる」(ウィルコム)。

アプリケーションソフトやサービスの開発をすることにより、USBやBluetoothに対応した体重計や血圧計など、さまざま健康管理機器とウィルコムのスマートフォンを接続し、健康管理に関する情報をスマートフォン経由でデータベースに一括管理することなどが実現できる。

ソフトウェアのユーザーインタフェースを独自で開発できるため、自由度の高いソフトウェア設計が可能になるほか、ミドルウェアの個別開発を行う必要がないので、開発コストの低減も期待できる。

これにより、サービス開発ベンダーは機器ごとの仕様を確認する必要がなく、モバイルを活用したさまざまなサービスの提供が容易となり、「医療関係者のみならず、一般のユーザーへのヘルスケアサービスの普及拡大が期待される」(同社)。

また、電磁波が微弱で医療機器や人体への影響が少ないというPHSの特長を生かすことで、「医療機関や福祉・介護機関など、モバイルの活用が急務となっている分野においても健康管理ソフトの開発が容易となる」(同)。

SDKはすでに、情報大航海プロジェクトに機器提供を行った、エー・アンド・デイ、オムロンヘルスケア、スズケン、タニタ、東芝ホームアプライアンス、パラマ・テックの各社健康機器との接続動作実績がある。

ウィルコムでは、「家庭において健康管理機器とICTが有効に活用され、モバイル通信により健康データを一元化し、簡単で効果的な健康管理を行える社会の創造をめざしていく」としている。