プリンタ部は、4色独立インクカートリッジを採用しており、一体型インクに比べてランニングコストがあまりかからないのがうれしい。また、4色インクながら色再現性はかなり高く、通常だと飽和してのっぺりした印象になりがちな赤や、くすんでしまいがちなオレンジなども、オリジナルに近い鮮明な色で再現される。一般的な4色プリンタのような中間色の粒状感もほとんど目立たず、明るいグレーや、グラデーション部分なども非常になめらか。写真プリントの品質はかなり高い。
さらに、家庭向けのプリンタや複合機と同様に、フチなしプリントも可能。フチなしは、L判からA3までの用紙サイズに対応しているので、写真作品を大伸ばしでプリントして飾りたい場合などに便利。A3フチなしだとかなりの迫力が出るので、購入した場合は、ぜひ一度試してみてほしい。
なお本製品は、4色インクのうち、黒のみ顔料系のインクを採用している。そのため、普通紙にプリントした際も、文字のエッジなどがにじみにくい。しかも、色面の上に乗った文字のように、にじみやすい条件の場合でも、非常にシャープに印字されるのがうれしい。
プリント速度は非常に高速で、A4モノクロ最高35枚/分、A4カラー最高28枚/分を実現している。プリンタドライバでは、印刷品質を「通常印刷」「きれいに印刷」「はやく印刷」「両面印刷」などの中から選べるようになっており、選んだ品質によってプリント速度は変わってくる。実際にA4フルカラーのビジネス文書を各モードで普通紙にプリントしてみたところ、ファーストプリントの時間は下の表のような結果になった。ただし、今回は、紙面の半分以上に色面があるグラフィカルな文書で試している点に留意してほしい。文字メインのビジネス文書ならばもっと速くなるはずだ。
プリントの仕上がりについては、「はやく印刷」を選んだ場合でも十分実用範囲。全体的に色が薄くなる傾向はあるものの、可読性は保たれており、バンディング(プリンタヘッドの幅ごとに出る筋目)なども現れない。「通常印刷」モードだと、さらに印字品位が上がり、文字もよりシャープになる。ただし、色再現を重視するならば少々時間がかかっても「きれいに印刷」を選んだ方がいいだろう。
■ファーストプリント時間 | |
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プリント時間 | |
46秒 | |
3分48秒 | |
18秒 |
注:いずれも、A4フルカラーでの印刷。データの転送が完了し、プリンタが動き出してからプリントが完了するまでの時間を計測している。
文書の内容によっても数値は変わってくるので、あくまでも目安としてほしい。