赤ちゃんが生まれたときこそは、もっとも保険について考えなければいけないときです。保険に加入していなければ、夫や妻など生活費を稼いでいる人に万一のことがあったら、残された家族がその先どうやって生活していったらいいか目途がたちません。

子どもがいる場合、遺族年金という公的な制度で保障される部分もありますが(記事参照)、それだけで暮らしていくのは、実際は不可能。赤ちゃんが小さいほど、成人するまでの期間が長くなりますから、0歳なら最低でも22年間分の生活費や教育費をまかなえる金額を確保しておく必要があります。

必要保障額の計算は、現在の家族の生活費や今後のライフプラン、教育の考え方など、加味しなければならない要素が千差万別ですので、一概にいくら必要といえません。ただ、目安としては、家族の大黒柱になる夫などは子ども1人で3,000万円程度。一人追加になるたびに、1,000万円程度の上乗せが必要と考えましょう。

育児・家事を担う妻なども、保険0というわけにはいきません。小さな子を遺して万一のことがあれば、誰が面倒を見るのでしょうか。ベビーシッター代や家事代行費を考えてもいくらかのお金を遺しておかないとやはり心配です。理想的には1,000万円、少なくとも500万円程度は死亡保障に加入したほうがいいでしょう。

生命保険には、掛け捨てタイプの定期保険と一生涯保障が続く終身保険があります。保険料は定期保険が割安で、終身保険は高めです。もちろん、500万円など一生涯の保障も確保できると理想です。ただ、終身保険は保険料が高額で家計の負担になりがち。子どもが成人するまでの期間、掛け捨てタイプの定期保険に加入するのが基本です。子どもが生まれたときなら、大学卒業までにプラスαして25年間など、加入すれば十分でしょう。

また、結婚時に医療保障を確保できていない人は、特に妻は必ず加入して、入院などに備えたほうがいいでしょう。

明日は最終回。持ち家購入時の保険見直しについて考えます(7月10日掲載予定)。