医療、半導体業界を中心に実績多数

日本ティブコソフトウェアのスポットファイヤー部門代表を務める井上賢二氏によると、同製品は米国で3000社の採用実績があり、このうち日本では100社強が採用している。

「米国での最初の顧客がファイザーであったことから、医薬品業界には伝統的に強い。医薬品業界では、新薬の開発などの際に、膨大なデータを取り扱う必要があるため、スピーディーに分析する製品が求められていた。同じような理由により、国内では、半導体製造の歩留まり向上に使われている。半導体製造の過程では、製造装置から大量のデータが得られるが、それらを分析するためのいいツールが少なかったためだ」

もっとも、井上氏は、Spotfireは、大量のデータをスピーディーに可視化して、インタラクティブに把握する意味では、汎用的に用いることができる製品だと強調する。

実際、同製品は、医薬品業界におけるバイオマーカーの発見やリード化合物の発見、製造業における歩留まり欠陥分析といった分野のほか、金融サービス業におけるポートフォリオ管理や法規制/リスク分析、エネルギー業における油田・ガス田開発、消費財に関する市場分析やマーケティング分析、IT業界におけるeメール分析やネットワーク分析など、さまざまなシーンで利用されている。

さまざまな業界で幅広く採用されている

分析に際して、ハイスペックなハードウェアが不要である点も大きな特徴だ。例えば、動作デモで用いられたクライアントPCは、高機能なワークステーションではなく、一般的なノートPCだったが、2万件のExcelデータを5秒程度でインポート(コピー&ペースト)し、全データをメモリ上に展開したうえで、グラフィカルに表示することができていた。

画面構成は、大きく、データをグラフィカルに表示するメイン部分と、データの属性(カテゴリ)を表示する「フィールドパネル」部分に分かれる。フィールドパネル上で属性の項目を変更すると、グラフはリアルタイムに変化し、グラフ部分に属性の項目をドラッグ&ドロップすると表示単位(期間、件数、量など)が自動的に切り替わるといった直感的な操作が可能だ。

2万件のExcelデータをインポートして、分析するデモ。Excel上で管理された元データ

Excel上でデータをすべて選択して、Spotfireのトップ画面にコピー&ペーストすると、データが展開される

データを展開した初期画面はこんな感じ。ここから分析作業を開始

右側のフィールドパネルからメイン部分にドラッグ&ドロップしたり、メイン部分に表示されたグラフから必要なデータを選択したり、右クリックで表示形式を設定したり、とグラフィカルな画面上でポチポチと操作していくだけで、好みの範囲の好みのグラフが目の前で作成されていく

ローリオン氏はこのような特徴を説明したうえで、最後に「ビジネスユーザーが、データをアドホックに分析したいというニーズを支援する。それによって、企業の新たな洞察と意思決定を支えることができる製品だ」とコメント。実用性の高いBI製品であることを強調した。