英ロンドンを拠点にするAcrossairが開発した「Nearest Tube」というアプリが面白い。世界初の地下鉄で知られるロンドンの"Tube"、このアプリでは現在位置から一番近いTubeの駅を探し出してくれるというものだ。単純にいえばそれだけだが、このアプリの面白いところはiPhone 3GSで搭載されたビデオ機能とデジタルコンパスを駆使し、さらにGPSを組み合わせることで現在位置と向きから一番近い駅の方角と距離を指し示してくれる。
百聞は一見にしかず、Acrossairが用意しているYouTubeのビデオ「Nearest Tube Augmented Reality App for iPhone 3GS 」を見てもらうのが手っ取り早いだろう。Nearest Tubeを起動すると、画面上にはカメラで映し出された画像がそのまま表示される。そしてその上にオーバーレイ表示でTubeの路線名を色別に、一番近い駅の名前とそこへの距離を吹き出し形式で重ね合わせる。吹き出しの位置は方角を指し示しており、その先にTubeの駅があるというわけだ。ここでアプリを起動したままの状態でiPhoneを持って見る方角を変更すると、そのままカメラの映像も移動してくる。ここまでは当然だが、先ほどの駅名の吹き出しもリアルタイムで方角を変更し、方角によってはそれまで見えなかった駅名も見えてくる。デジタルコンパスとGPSを組み合わせた好例だろう。
Acrossairによれば、2D地図ではなく目の前の風景を利用した3D表示によるリアリティが売り物だという。現在はAppleによるアプリの審査中で、認可が下りしだいApp Storeへの登録を行う予定だという。また前述のようにデジタルコンパスなどの機能を使用しているため、iPhone 3GS専用となる。