国民生活センターはこのほど、「体に良い」などとして販売されているゲルマニウム使用のブレスレットについてゲルマニウム含有量や効能についての調査結果を発表した。同調査は、「高純度のゲルマニウムを使用した」などと表示をし、体に良いとイメージさせている販売価格1万5,000円未満のゲルマニウムブレスレット12銘柄を対象に実施。
ゲルマニウム含有量を調べたところ、ベルト部分からゲルマニウムが検出されたものはなく、12銘柄中7銘柄は黒色または金属の粒部分に微量が含まれていたのみだったという。まったくゲルマニウムが使用されていないものも1銘柄あった。また、文献調査や製造・販売業者へのアンケート調査の結果、ゲルマニウムの健康への効果については、根拠となる科学的データは確認できなかったという。
同センターは「調査した限り、ゲルマニウムの健康への効果には科学的根拠はなく、そのゲルマニウムがほとんど含有されていない商品も多い」としており、消費者に注意喚起するとともに、業界側に表示などの改善を要望している。
同センターによると、全国の消費生活センターへの相談を集約しているPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)にはゲルマニウムを使用したアクセサリーに関する相談が、2004年度から5年間で2,300件以上あり、その55%がブレスレットに関するものだった。特に「効果がない」「ゲルマニウム含有量が知りたい」といった意見が多かったとしている。