ECナビは7月2日、インフォニックスとKDDIの協力で、ポイントを特徴とする携帯電話事業「EC ナビケータイ」にMVNOとして新規参入すると発表した。8月3日より、専用携帯電話のネット上で販売し、サービスを開始する。

EC ナビケータイは、ECナビが運営する価格比較サイト「ECナビ」と連動したサービスを提供する点が特徴。ECナビがブランドコントロール、サービスマネージメント、ポイントの発行、販売促進、コンテンツ企画・運営などを担当。KDDIが携帯電話インフラ(無線ネットワーク、メール、Webなどの基本サービス)、インフォニックスがMVNOプラットフォームの提供、携帯電話の販売、事業設計、運営・情報システムを受け持つ。

EC ナビケータイ。3機種12色が登場した

各端末にはECナビのロゴが刻印されている

同日、説明会が開催され、ECナビ 代表取締役CEO 宇佐美進典氏が登壇。EC ナビケータイのサービスについて説明した。

EC ナビケータイは、アンケートへ回答したり、動画を視聴したり、買い物を行ったりすることでポイントが付与される。貯めたポイントは、ポイント交換サービス「PeX」を通じ、1ポイント約0.1円で、ANAマイルなどの航空マイレージ、Edyなどの電子マネー、Amazonギフトなどのギフト券のほか、全国の銀行で現金などに交換可能だ。ポイントは、契約特典として申込時に最大5万ポイントが付与され、毎月の利用料金が3000円以上の場合6%(利用料金100円ごとに60ポイント)、2000~2999円では3%(利用料金100円ごとに30ポイント)がもらえる。8月31日までの申し込みキャンペーン中に申し込んだ場合は、3000円以上の利用で10%(利用料金100円ごとに10ポイント)が2年間もらえるようになる。

端末はシャープ製「ECN-SH001」「ECN-SH002」、京セラ製「ECN-K002」の3機種、全12色が用意されている。今後、新機種を随時提供する予定。なお、サービス開始時は、BREWアプリのひとつとして「ECナビ」を提供。利用の際は「ECナビ」アプリを起動しないといけないが、今後は待受画面上から直接利用できるように検討・開発を進める予定だ。料金プランはauに準拠。プランSS、プランS、プランM、プランL、プランLLと5つの料金プランが利用できる。プランSなら「購入サポート割引」適用後の月額基本使用料が980円となっている(無料通話1050円分付き)。

今後の展開として、ニュースや占いなど後進性の高い情報を配信・提供するほか、商品の価格やショップの情報(既存事業とのシナジー)を強化する方針。ECナビケータイアプリを充実させ、電子書籍や動画といったデジタルコンテンツの販売を行うとしている。

「EC ナビケータイ」の概要を説明するECナビ 代表取締役CEO 宇佐美進典氏

今回のサービスではECナビがサービス提供とブランドコントロール、インフォニックスがMVNOプラットフォームの提供、KDDIが通信インフラを提供する

各キャリアのポイントサービスとの比較。これを見るとポイント率の高さが分かる

ECナビだと、ポイントをさまざまなサービスで利用できる

続いて、インフォニックス 常務取締役 藤田聡敏氏がMVNO事業引受サービス「SELECT MOBILE」を紹介した。

インフォニックスは1997年からMVNO事業に関するサービスを提供している。約10年にわたる携帯電話MVNO事業運営、大手企業のMVNO事業企画・準備支援経験、全携帯キャリアとの各種交渉経験など、MVNO事業に関するノウハウを持っているという。

このノウハウを生かしたMVNOプラットフォームが「SELECT MOBILE」で、藤田氏は「(クライアントとなる)企業の特徴を生かしたサービスが展開できる」とアピール。SELECT MOBILEでは、事業企画、事業運営、マーケティング、アフターケア、モバイルサービス、仕入、システム、業務、課金・回収、広告、コマースなどのサービスを提供するとしている。

これまでMVNOは、データ通信カードを中心に利用されてきたが、データ通信カードは、保有率やARPUが低く、端末へのアプリケーション追加・更新、メディア機能、おサイフケータイやワンセグといった通信以外の機能が利用できないといったデメリットがあった。携帯電話サービスをMVNOとして提供することで、「データ通信カードではできないような発展的な展開が可能になる」と藤田氏は説明する。

利用料金はauの料金プランに準拠

MVNO事業引受サービス「SELECT MOBILE」を説明するインフォニックス 常務取締役 藤田聡敏氏

KDDIの取り組みを紹介するKDDI コンシューマ商品統括本部 事業開発部長 新居眞呉氏

最後にKDDI コンシューマ商品統括本部 事業開発部長の新居眞呉氏が挨拶を行った。新居氏はEC ナビケータイについて、「KDDIとして初めての取り組み。エンドユーザーに対して魅力的なサービスが提供できることと、サービスに通信ネットワークなどを有効に効率的に利用してもらうことで、携帯電話市場をより活性化できると考え、今回のサービスに参加した」とコメント。今後とも、このようなMVNOの企画には積極的に参加したいと述べた。