シャープは2日、ウォーターオーブン「ヘルシオ」シリーズ新モデルとして「AX-X2」「AX-G1」「AX-M1」の3機種を発表した。発売は上位機種のAX-X2、AX-G1が8月20日、下位機種のAX-M1が7月15日の予定。価格はオープン。市場価格はAX-X2が16万円前後、AX-G1が10万円前後、AX-M1が6万5,000円前後と予想される。
ヘルシオは「健康とおいしさの両立」をコンセプトに、2004年にシリーズ第一弾が市場投入された。水で焼くウォーターヒート技術により、脱油、減塩、栄養素キープを実現し話題を呼んだ。今回のAX-X2など3機種はヘルシオ第6世代になる。「健康調理」の位置づけは変わらず、「健康とおいしさ」もそのままに「もっと手軽で身近な」ヘルシオとして使い勝手の向上などで機能を充実させている。
AX-X2は容量30リットル、業界最多の288個の自動メニューを搭載。「鶏のから揚げ」「さんまの開き」「トマトの肉詰め」など、自動メニューを選ぶだけで、自動で調理できるようになっている。もちろん、従来からの4つの「あたため」や解凍、自動トーストなどもできる。また、3.5型カラー液晶を搭載することで、大きく見やすい画面になっている。これにより、メニューを選ぶ際の操作性が向上している。
健康に関する機能では「健康サポートメニュー」を採用。家族の健康状態に合わせて、メニューを決められるようになっている。「健康サポートメニュー」を選ぶと、画面に「カロリーが気になる」「塩分を控えたい」「野菜不足が気になる」「カルシウムをしっかり」「疲れを感じたら」と5つの項目が表示される。
「カロリーが気になる」では、低カロリーの脱油メニュー205種が選べる。決定ボタンを押すと、画面には「100~199kcal」「200~299kcal」など、カロリー種別に選択メニューが現れる。さらに、希望のカロリー数を選ぶと該当するメニューがカロリーの低い順に表示され、作りたいメニューを選べるようになっている。
メニューを選択すると、「健康効果が見える機能」により、カロリーダウン数値が表示される。これはヘルシオを利用することで、どの程度のカロリーを減らすことができるのか、ヘルシー効果が実感できる機能だ。たとえば、豚肉のから揚げでは、通常約611kcalであるのに対して、ヘルシオを利用することで約481kcalとなり、約130kcalを減らすことができる。液晶画面にはカロリー表示のほか、「ウォーキング41分相当」などと表示され、効果がわかりやすくなっている。
「塩分を控えたい」は素材の味を活かした減塩メニューが16種、「野菜不足が気になる」は蒸し野菜、焼き野菜サラダなどの野菜メニューが40種、「カルシウムをしっかり」では食材の組み合わせも考慮して効率的にカルシウムが摂れるよう工夫したメニューが10種、「疲れを感じたら」は疲労回復効果のあるビタミンB群や鉄分を含んだメニューが62種、用意されている。
メニュー選択では「豚肉・牛肉」「鶏肉」「魚介」「野菜」など、使いたい食材からメニューを選ぶ操作や、最近作ったメニューを表示する機能などを用意。数多くの自動メニューから目的別に作りたいものを選びやすくなるよう工夫している。AX-X2の色はレッド系、シルバー系の2色がある。
AX-G1は容量30リットル、自動メニューとして118メニューを搭載している中位機種だ。「健康サイン」が特徴で、「カロリーダウン」「減塩」「ビタミン保存」と、現在選択しているメニューが健康の中で何に効果を発揮するのか、わかりやすく表示している。 もう一つの特徴は「除菌」キー。お弁当箱や樹脂製食器などを庫内に入れ「除菌」キーを押すことで、菌をとり除くことができる。子どもの食器を清潔に保ちたいという声を反映した機能だ。AX-G1はゴールド系、レッド系の2色を用意している。
AX-M1は3機種のうち、機能がもっとも少なく、操作がシンプルになっている。容量は26リットルで、自動メニューは42メニュー。20~40代既婚女性へのアンケートを実施し、ヘルシオで作ってみたい料理で上位にランクインしたものを搭載している。AX-G1同様、「健康サイン」は表示。操作がシンプルでありながら、本格健康調理器具ヘルシオとして機能を果たしている。
同機種は従来から、ヘルシオには興味があるが敷居が高いと感じていた層を取り込むのが狙いの一つ。1人暮らしや少数世帯にも適している。ボディカラーは3色用意され、野菜料理が得意なヘルシオにちなみ、新たにレッド(トマト)、グリーン(アスパラガス)、ホワイト(オニオン)の野菜をイメージしたカジュアルなベジタブルカラーを採用した。
3機種とも共通して、省スペース設計を実現している。「蒸気排出ダクト」を内蔵し、ヘルシオよりも10cm高いスペースがあれば、設置することが可能になっている。さらに、背面は壁との隙間が不要な「背面壁ピタ」設計、本体奥行は44cm(AX-X2)と、狭い場所にもしっかりと設置できるようになっている。
製品発表会では、「昨今の健康に関する高まりと不況による内食化、食に対する不安感などにより、ヘルシオへの期待が高まるのではないか」と、同社 健康・環境システム事業本部長の高橋興三氏は自信を見せていた。