日本銀行は1日、6月の全国企業短期経済観察調査(短観)の結果を発表した。景気の重要な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)はマイナス48で、1974年の調査開始以来最悪を記録した前回3月の短観から10ポイント上昇。景況感が改善したのは、2006年12月調査以来約2年半ぶり。
同調査の対象企業は、金融機関を除いた全国の製造業、非製造業を合わせた資本金2,000万円以上の民間企業10,319社(製造業4,301社、非製造業6,018社)で、回答期間は5月26日~6月30日。
発表データによると、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた業況判断DIは、製造業では、大企業がマイナス48、中堅企業がマイナス55(前回調査から2ポイント上昇)、中小企業がマイナス57(前回と同じ)。また、非製造業では、大企業がマイナス29(前回から2ポイント上昇)、中堅企業がマイナス36(前回調査から1ポイント上昇)、中小企業では前回調査より2ポイント下がりマイナス44だった。非製造業の中小企業が前回より下がったほかは、軒並み上昇に転じているとはいえ、DIはすべての規模・業種で大きなマイナスの値を示しており、景況感が「悪い」と認識している企業が「良い」という企業を大幅に上回っている状況は続いている。
大企業製造業を業種別でみると、15業種すべてでDIがマイナスとなっているが、「木材・木製品」、「鉄鋼」を除く13業種で前回より改善。前回マイナス92にまで落ち込んでいた「自動車」も3カ月で13ポイント上昇しマイナス79となっている。
3カ月後(9月)の見通しについては、大企業製造業がさらに18ポイント上昇のマイナス30。ほかは、製造業の中堅企業がマイナス46、中小企業がマイナス53。また、非製造業では、大企業がマイナス21、中堅企業がマイナス32、中小企業がマイナス45で、さらに改善が進むとの見方が強くなっている。