パナソニックは、同社の環境への取り組みをまとめた「エコアイディアレポート2009」をこのほど発行。それにあわせて、環境戦略の推進状況などについて発表した。
パナソニック環境本部 岡原邦明本部長は、「パナソニックは、商品のエコアイディア、モノづくりのエコアイディア、ひろげるエコアイディアの3つの観点から取り組んでいる」とし、「商品のエコアイディアでは、2008年度実績で省エネナンバーワンを達成した商品は233機種。前年度の約3倍となった。また、そのうち65%を海外が占めており、グローバル比率が高まっている。さらに、業界ナンバーワンの環境性能を実現したダントツGP製品は、目標の150機種の2倍にあたる296機種を認定することができた。加えて、環境性能の飛躍的な進歩・持続可能な社会の実現への新トレンドを創る商品とするスーパーGPには、ハイビジョンブルーレイディスクレコーダー3モデルを選定した。同製品は、定格消費電力、年間消費電力、待機時消費電力のすべてにおいて業界ナンハーワンとなっている。とくに待機時電力では時計非表示時において0.1Wに抑えることに成功。前機種の3分の1、2年前の機種に比べて6分の1とした。待機電力は家庭における電力消費の7%を占めるとの調査結果もあり、これだけの省エネ化を実現したことには大きな意味がある」と説明した。
また、2009年度の計画としては、省エネ性能カタログの対象となる9商品における省エネ機種の構成比率を、省エネナンバーワン商品では倍増となる30%に、低位商品では2008年度の10%からゼロにすることを打ち出している。
モノづくりのエコアイディアでは、生産活動におけるグローバルCO2排出量を、2008年度実績で、2006年度比51万トン削減の347万トンになったことを説明。「2009年度目標である30万トン削減を1年前倒しで達成した。これらは、きめ細かな運用と、プロセス改革によって実現したものといえる。パナソニックでは、全世界285拠点において、毎月、CO2排出量などの環境パフォーマンスデータを分析し、経営にフィードバック。加えて、全社CO2削減推進委員会を設置し、具体的な削減施策の横展開によって改善へとつなげている。また、基本施策として、工場全体ではなく、設備ごとにエネルギー使用量を計る『メタゲジ活動の推進』、15工場350件で実施した省エネ技術支援チームによる『省エネ診断』、生産革新本部が中心となって省エネに関するプロセス設備を開発し、設置する『プロセス革新』、省エネ事例のBA(Before-After)チャートをデータベース化し、これを『先進事例として全工場に横展開』するといったことも行っている」とした。
メタゲジ活動の具体的な事例としては、中国 杭州の白物家電工場であるパナソニックHA洗濯機杭州において、メタゲジを導入したところ、全工場の2分の1のエネルギーが成形工程で使用されていたことがわかり、同工程における運用管理の強化やインバータの更新などを実施することで、CO2排出量生産原単位で14%削減を達成した。