ハイブリット車などの「エコカー」を購入すれば、税金が安くなるのはご存じのとおり。しかし得するのはそれだけじゃない。エコカーなら自動車保険だって安くなるのだ。そんな「エコカー割引」について調べてみた。

エコカーには減税や補助がある

ハイブリット車が売れている。トヨタの新型「プリウス」は発売から1ヶ月で18万台を受注したという。これも「エコカー減税(新グリーン税制)」のおかげとも言えなくない。エコロジーへの関心が高まっているのもあるが、誰だって安く買いたいに決まっている。

さらに「エコカー補助金」も始まった。これはハイブリットカーなどの環境に対応したクルマへの乗り換えを促進するための補助金で、車齢13年以上のクルマからの乗り換えなら25万円、乗り換えでなくても、環境性能の優れた新車を購入する場合は10万円の補助が出る制度だ(軽自動車の場合はそれぞれ半額)。これは2009年4月10日から2010年3月31日までの期間が対象になる。

そのほか、地方自治体によっては独自に補助を定めていることもある。新しくエコカーを買うなら、利用できる制度は可能な限り利用するのが賢い買い方というものだ。

自動車保険の「エコカー割引」

実は、自動車保険にもエコカーに対する特典があるのはご存じだろうか。「エコカー割引」がそれだ。

自動車保険は「任意保険」とも呼ばれ、事故などに遭った際、自賠責保険を超えた分をフォローするものだが、自賠責が現実の補償額とほとんど合わなくなってしまった現在、必須ともいえる保険だ。対人補償、対物補償、車両保険など、多くの保険がセットになっている。

自動車保険に加入するにはもちろん保険料を払う必要があるが、この保険料を安くするシステムが「割引」である。代表的なものは「ゴールド免許割引」だろう。ゴールド免許はそのドライバーが近年事故を起していないという証明だから、保険会社にとっても保険金を支払う可能性が下がり、割引することで双方にメリットが生まれる。

対して「エコカー割引」はちょっとわかりづらい。ABS(アンチロックブレーキ)やエアバッグなら、それが装備されていることで運転者の損傷が減るわけだから、割引対象になるのも判るが、エコカーだから安全とはいえないだろう。そこでエコカー割引を行なっている保険会社のひとつ「チューリッヒ保険会社」に話を伺った。

「エコカーだから事故に遭わないというわけではありませんが、エコカーは地球環境の保護に貢献しているわけですから、当社も少しでもそれに役立ちたいということです。またそういったクルマを選ばれる方が、少しでも保険に入りやすいようにということでエコカー割引を用意しています」とのこと。なるほど。

割引率と条件をチェック

「エコカー割引」を行なっている保険会社はそれほど多くない。先出のチューリッヒのほか、朝日火災海上保険、ニッセイ同和損保、あいおい損保で同種の割引が確認できた。また、保険会社によって呼び方もさまざまで、「低公害車割引」、「環境対策車割引」といった名称もある。

割引率は保険会社によって異なっている。1.5%というところもあり、現状では3%が最大の割引率となる。チューリッヒも3%だ。エコカー割引の対象となるのは、ハイブリッド自動車、電気自動車・メタノール自動車、天然ガス自動車などが中心。これはどこもほぼ同じ。エコカー減税とは対象車種が異なっている。また、保険会社によっては割引対象を「新車登録から1年以内」などと限定している場合もあるので注意しよう。新車を買った年はよいとしても、翌年からは割引がなくなってしまう。

エコカーで得をするのは減税や補助金だけではない。保険の割引をはじめ、得するサービスがいろいろ行なわれているようだ。賢くエコカーライフを過ごそう。

エコカー割引比較
保険会社 あいおい損保 朝日火災 チューリッヒ保険会社 ニッセイ同和損保
名称 エコカー割引 低公害車割引 エコカー割引 低公害自動車割引
割引率 3% 1.5% 3% 3%
対応車種など 低公害車、低排出ガス車など。ただし初度登録から13ヶ月以内 低公害自動車、低燃費自動車、低排出ガス自動車 ハイブリッド自動車、電気自動車、メタノール自動車、天然ガス自動車

※ここに挙げた以外にもエコカー割引が行なわれている保険会社があります。