デジタルハリウッド大学はこのほど、NPO法人オーバルリンクによる公開セミナー 2009年度 第2回「Web2.0世代のためのワークライフバランス・イノベーション」を開催した。09年度2回目となる同セミナーでは、デジタル業界で働く3名の起業家が考える"ワークライフバランス"が率直に語られた。
まず登壇したのは、ビストロパパ代表取締役で元デジタルハリウッド執行役員の滝村雅晴氏。家族を料理で幸せにする"パパ料理研究家"として、Webサイトやセミナー活動での広報活動や一澤信三郎帆布×ビストロパパのコラボエプロンの商品販売等を通じて、"パパ(父親)"による家族料理の普及・啓蒙を提案している。趣味を仕事に結びつけた同氏は、満足のいくワークライフバランスの秘訣を「"ワーク(仕事)"と"ライフ(生活)"に加え、"ソーシャル(社会性)"を持つことで、成功へつながる。ワークとライフの両足以外に、ワークにつながるもう1本の柱を持つことが大事」と説いた。
次に、同セミナー主催のNPO法人オーバルリンク代表で、同学校教員である橋本大也氏が"デジタルネイティブ(生まれながらにITに親しんでいる世代)"をキーワードに、「『デジタルネイティブの育て方』アルファブロガーのe子育て実践レポート」と題したセミナーを行った。平成元年生まれ以降を"デジタルネイティブ"と定義し、IT業界の変遷を紹介しながら、6歳になる自身の子への"デジタル教育"を披露。子どもに数百種類のデジタルの先端技術やサービスを試しに行わせたなかで、効果があったいくつかの興味深いサービスが紹介された。
最後に、「朝時間.jp」や「おとりよせネット」を運営しているアイランドの代表取締役の粟飯原理咲氏がデジタル女性起業家の視点で考えるワークライフバランスを提案。粟飯原氏の経験から、ワークライフバランスの5つのポイント、(1)「ライフ」が「ワーク」に循環する仕事・サービスを手がける(2)ワークライフバランスを1日単位で考える(3)自分のためではなく、まわりのためのバランスを考える(4)時間の使い方は"長さ"→"濃度"(5)原点方式ではなく、加点方式で考えることが提唱された。
同セミナーの参加者は社会人から学生までが参加し、女性より男性の聴講が多かった。三者三様のワークライフバランスに、「なるほど」と感心する声が挙がる場面も見受けられ、仕事と生活の最適化を考えさせられるセミナーとなった。