トムソン・ロイター・マーケッツは26日、「ロイター個人投資家6月調査」を発表した。同調査は、昨今株式市場への影響を強めている個人投資家の動向を、定期的に把握することを目的に開始。調査は「ロイター・ニュースメール」購読者18万人を対象に6月8~11日に実施され、全国1,048名から回答を得た。
調査によると、日本株への投資スタンスを示すロイター個人投資家DI(「強気」から「弱気」の割合を引いて算出)はマイナス20となり、前月のマイナス16から悪化した。DIは今年3月のマイナス74で底打ちを見せ、4月にはマイナス20、5月にはマイナス16と2007年9月調査(DIは0)以来の水準にまで戻すなど改善が続いていたが、今月再び悪化に転じたとしている。
また「弱気」と回答した人の中からは、雇用・所得不安に伴う個人消費の落ち込みや、年金・介護・子育てなど将来への不安を指摘する声が目立ったという。現在の景気状況も一時的な回復は認めるものの、持続性に関しては疑問視しているとの見方が多数あったとのこと。
最悪期を脱したとされる日本経済の先行きを聞いたところ「W字型に一進一退」との回答が57%と過半数を占め、続いて「L字型に横ばい」(21.1%)と、景気回復力は弱いとの見方が大多数となった。さらに、先行き不安感を取り除くため政府が実施するべき景気対策の分野を聞いたところ、「雇用」の回答が最も多く、次いで「教育・子育て」「医療・健康」「介護」「企業の資金繰り支援」「環境」「住宅」「土木などの公共事業」の順となった。回答者からは、安定した雇用の確保なくしては、消費の活性かも企業の成長も実現しないとの声が相次いで寄せられたという。