IT社会と言われて久しいけれど、なんだかITを便利に使うのではなく、"使われている"ように感じることはありませんか?

パソコンでネットショップを利用したり、毎日ケータイでメールをしたり、いろいろ新しいことができるようになってはきました。だけど、衣食住のこと、お金のこと、健康のこと、趣味のことなど、本当に生活が便利になったと思うことって何でしょう。むしろ、手間が増えたり、管理しきれないデータがあちこちに散らばって余計に煩わしいことが増えていたりするかもしれません。

例えばネットで探したレシピのページでブックマークが膨れあがっていませんか? その中から欲しいときに欲しいレシピがすぐ見つかりますか? デジカメで撮った大量の写真が、いつ撮ったものか分からなくなったまま、見たり飾ったりすることなくPCに埋もれていませんか? 様々なソフトや機器の機能に振り回されてしまっては、ITに"使われて"いるだけです。

例えばレシピを全部リストにしておいて、写真の一覧表や料理名・材料などから作りたいものを探せたら便利かもしれません。あるいは、バラバラのフォルダに保存されている写真をテーマごとにリスト化して、タイトルやコメントを付けておけたら便利ではないでしょうか。

そんな自分の「ああしたい」「こうしたい」を、自分の手で実現してしまおう! という強者たちが集まるのが、今回2回目の開催となる「ファイルメーカー選手権」です。

前回の応募作品

第1回目となるファイルメーカー選手権は2007年に開催。ビジネス/ホーム/エンターテインメントなど様々なジャンルの作品が応募されました。どんな人のどんな「ああしたい」が実現され応募されたのか、実際に応募された作品を紹介しましょう。

第1回目の年間MVPに輝いたのは、「伴子の楽々栄養計算」という作品。食品成分表を食品名で検索したり、「魚介類で鉄分を10mg以上含んでいるもの」のように栄養成分から検索し、成分の多い順に並べ替えるなどの操作が、クリックだけで簡単にできます。またレシピや献立のデータは、最初に登録されているものだけでなく、自分で新しく作成したり、他のユーザーと交換することもできるようになっています。さらに、栄養素充足率やPFC比率(総摂取エネルギー量に対するタンパク質/脂質/糖質の割合…だそうです)のグラフ表示など、栄養学の教育にも役立つ機能を搭載。まさにプロもびっくりの高機能ぶりです。

魚介類で鉄分を10mg以上含んでいるものをエネルギーの多い順に表示

自分でレシピを作成し、献立に加えれば、1日の栄養バランスを計算できる

一方で、機能を限定して簡単に楽しめる作品も。こちらは「占い」という作品。その名の通り、生年月日を入力して「今日のバイオリズム」を表示。身体・感情・知性のバイオリズムについてのアドバイスと、この先一週間の注意日を教えてくれます。また、「星座占い」ではYahoo!、goo、MSN、TBSのWebサイトで提供されている12星座占いを並べて見ることができるようになっています。さらには動物占いまで……。

誕生日を入力することで、バイオリズムを表示する

Webサービスの占いを表示させることができる

その他、ビジネス向けに名刺管理・納品請求書伝票作成・勤務管理など、ホーム向けには家計簿・日記帳・ロト6対策まで、様々な作品が応募されました。これらは全て「FileMaker」というソフトで作られたものです。

そもそも「データベース」って?

FileMakerは、ひと言で言うと"データベース"を作成するためのソフトです。データベースというのは、コンピュータの世界で使われる情報を管理するための仕組みのことですが、図書館の検索システムを思い浮かべると分かりやすいと思います。何万冊もある蔵書の中から、タイトルや著者名、ジャンル、キーワードなどで目的に該当する本のリストを抽出し、その本が置かれている棚や貸し出し状況を知ることができます。これが、最も一般的なデータベースの活用法の一つです。

茶碗なら食器棚に、洋服ならクローゼットに収納するように、モノには最適な収納のカタチがあります。FileMakerでは、扱うデータに合わせて最適に収納できるカタチの整理箱=データベースを、一般の人が自分のパソコンで作れるようになっています。

FileMakerを起動すると「Starter Solution」として、何種類かのデータベースがあらかじめ用意されています。その名の通り初心者向けの提案ということで、住所録や文書管理、製品カタログ、家計簿など、よく使われる種類のものです。

起動時に表示される「Starter Solution」

例えば「料理レシピ」を開いてみると、その段階では"空っぽの箱"。自分の手で1ページに一品ずつ、料理の名前やカテゴリー、材料、作り方を記入していきます。ワープロソフトでも同じように材料や作り方を記録することはできますが、それでは何かを探したいときに本やノートのページを繰るのとあまり変わりません。データベースなら入力したレシピを一覧で表示したり、カテゴリーや料理名・材料名から検索するなど、蓄積した情報を活用しやすい形になっています。モノがたくさん詰まった箱の中から、号令一つで欲しいモノを引っ張り出せるような状態です。

さらに、データベースの仕組みが少し分かってくれば、"箱"に新しい仕切りや引き出しを加えることもできるようになっています。例えば、このレシピ集にに写真を入れる場所を作りたいとか、作った記録を付ける場所を加えたい、ということなどです。

1ページに一品ずつ記録し、一覧表や検索も使える

写真を入れる欄を追加するなど、自由なカスタマイズができる

これがエスカレートすると、材料をもとに自動でカロリー計算してくれるとか、作った回数や食べた人の評価ランキング機能とか、インターネットと連携して新しいレシピを検索できる機能などなど、「ああしたい」「こうしたい」と思うことがいろいろ出てきませんか?

ファイルメーカー選手権には、このように実際にそれを使う人が考え、磨き上げた様々な機能を搭載したデータベースが応募されます。本当に使う人の立場で作ったものなので、自分に必要な機能や使い勝手を追求したクォリティの高いものが多く、様々な人が参加しているのでジャンルも多彩です。そして応募作品は「テンプレート」という"空っぽの箱"の状態なので、使う人が自分の用途や好みに合わせてカスタマイズすることもできるようになっています。

FileMakerを持っていないという人も、評価版をインストールすればこれらの様々な応募作品を実際に触れて試してみることができますので、ぜひトライしてみてください。

無料評価版を使ってみよう

まずは、評価版をダウンロードします。最初はこちらのページから。

(1) 名前やEメールアドレスなどの必要事項を記入、「送信」ボタンを押します

(2) 登録したEメールアドレス宛にダウンロード先を案内するメールが送られてきます

(3) Windows版、またはMac版のダウンロードボタンをクリックします

(4) ファイルを適当な場所に保存します

(5) ダウンロード完了

これをダブルクリックすると、インストールの準備が始まります

(6) 続いて言語を選択し、インストールを開始します

(7) インストールが完了しました

評価版は最初に起動した日から1ヵ月の間利用することができます。では、さっそく起動してみます。

デスクトップにある「FileMaker Pro」のアイコンをクリックすると、評価版の期限が表示されます。「試用」をクリックすると起動

最初に開くのはこの画面。下のボックスにチェックを入れると次回から開かなくなります

「リソースセンター」では機能や操作方法の学習など、ユーザーを様々な面からサポート

起動したら「ビデオを見る」で使い方の動画を見てもよし、「チュートリアル」で詳しい使い方を勉強してもOKです。とりあえず使ってみたいという人は、「データベースの作成」をクリックすると、先にご紹介した「Starter Solution」を開くことができます。

これで準備は完了。前回のファイルメーカー選手権では全9回にわたって数々の応募作品が紹介されています。ぜひ、気になる作品をダウンロードして使ってみてください。また、今回開催される選手権への一般投票にも、ぜひご参加ください(投票方法についての詳細は後日掲載されます)。