KDDI、沖縄セルラーは25日、デザインなどにこだわった「iida」ブランドの携帯電話端末第2弾として『misora』を27日から発売すると発表した。「人が優しさを感じる形、心地よいと感じるカラーを追求した」(コンシューマ商品統括本部サービス・プロダクト企画本部長 増田和彦氏)というシンプルさをコンセプトにした端末に仕上げた。
misoraは、iidaブランドの発表時に発売が予告されていた端末で、名前の由来は「水」「空」から。「生活に必要なもので、知らない人がいない」(プロダクト企画部デザインプロデューサー小牟田啓博氏)という「水」と「空」、「雲」をモチーフに3色のカラーを用意する。
whiteのモチーフは雲で、「抜けるような透明感のある白」(小牟田氏) |
pinkは空。「どこかで見たことのあるなじみのある色」(同)で、夕日に染まる空をモチーフにした |
backは水をモチーフにしており、おぼろげな光のある夜の海を表現している |
iidaブランドは、先進的なデザインを求めた「au Design Project」を発展させ、デザインだけでなく手触りや質感など、コンセプトを拡大させたブランドを目指している。その中でmisoraは、シンプルさをコンセプトとした端末で、「人の心地よさ、エモーショナルに訴える」(増田氏)ことを追求した。
「積極的にシンプルな端末を志向する」女性ターゲット
同社の調査によれば、「積極的にシンプルな端末を志向する」ユーザーが一定数いることが分かっており、そうしたユーザーでは女性が62%に達し、misoraでは「30代女性で、通話・メールを中心に利用し、飽きがこないシンプルなデザインを求める」ユーザーをメインターゲットに据え、長く使える定番のデザインで操作性の良さを追求したという。
小牟田氏は、シンプルなデザインの例として「お椀」を示し、お椀を格好いいという理由だけでは買わず、その良さは「人間の手が知っている」(小牟田氏)と指摘する。同様に、毎日使う固形石けんを使い込むことによってできあがる造形にも言及し、そうした日々使うことを踏まえたデザインを追求したのだという。TOTOのデザイナーだった迎義孝氏をデザインに迎えたのも、そうした毎日の利用を考えたからということのようだ。
外観のデザインだけでなく、UIやキー、カラー、質感といったトータルでコーディネートしたのがmisoraで、「人がつながることを根底から見直すこと、それを提案していくこと」をコンセプトにしたという。
本体は、メイン液晶が2.8インチワイドQVGA(240×400ドット)、サブが0.5インチ(60×32ドット)有機ELの折りたたみ型で、有効画素数約197万画素AF付きカメラを採用し、GPSやおサイフケータイ、赤外線などを搭載する。ワンセグはあえて外したというシンプルな端末で、コンセプトに基づいて機能も取捨選択されている。
待受画面からダイレクトに文字を打つことができる「すぐ文字」機能、視認性の高い「新ゴ」フォント採用、文字サイズのワンタッチ切り替えなど、使いやすさや見やすさにもこだわった。
デザインは「当たり前のキー配列」(小牟田氏)だし、「オリジナリティを感じるものではない」(同)だが、それが「さわって気持ちがいい、理屈抜きにしっくりくる」(同)ことを「練り込みに練り込んだ形」(同)だという。背面に関しても、光沢があるような処理はせず、手あかが残らないようにしたそうだ。
misoraの世界観を引き立てるアクセサリー『AROMA STRAP』も
アクセサリーとして、『AROMA STRAP』も販売する。misoraの世界観をさらに引き立てることを狙ったアクセサリーで、シルバーチャームとスワロフスキーのクリスタルを使用。各カラーをイメージしたオリジナルのアロマを、アロマブランドの「生活の木」が提供し、シルバーチャームにアロマを垂らして使うことで、香りも含めた世界観を構築する。クリスタルには希少価値の高いデットストッククリスタルを使用しているそうだ。
価格は、現時点では2,100円を予定。7月下旬の発売で、それまでにさらに価格を抑えることを目指しているという。販売はiidaの専用サイトからの限定販売だ。アロマオイルの容量は1ml。
iidaブランドは、第1弾端末の「G9」が、発売後2週連続でau全体の販売数で首位を獲得したほか、充電器の「MIDORI」が1週間で完売。周辺機器に対してポジティブな反応が半数を超えるなど、好調だという。
今後は、著名芸術家の草間彌生氏がデザインした端末の販売を予定しているほか、幅広いラインナップをそろえていく考えで、将来的にはau全体の20~30%程度を占めるブランドに成長させていきたい考えだ。