OECD(経済協力開発機構)加盟国における公的年金や定年後の収入実態を調査した報告書が23日、公表された。
報告書によると、2005年における65歳以上の日本人で、OECDが貧困基準として定める、全世帯における所得分布の中央値の1/2未満の所得の人の割合は22%。OECD平均の13.3%を上回り、主要先進7カ国(G7)では、米国に次ぐ高齢者の貧困度合いとなった。
一方、現役就労時の所得に対して老後に受給できる公的年金額の割合を示した「所得代替率」では、日本は平均所得者で33.9%、低所得者層で47.1%と、それぞれG7中イギリス、ドイツに次いでワースト2位。OECD平均のそれぞれ59%、71.9%に対して極めて低い水準にある他、比較対象が異なるものの、国民年金法で保障する所得代替率50%以上にはほど遠い実態が垣間見える結果となった。
また、高齢者世帯の総収入における定年後の就労収入が占める割合では、日本は44%。OECDの平均20%に対して、2倍近くに及ぶことがわかった。
その他、公的年金受給額の低さを補う上で重要となる、個人年金への投資額は、経済危機の影響で前年の20%減少となったことも報告されている。