特定非営利活動法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会(略称:日本に外科医を増やす会)」の設立を記念して19日、都内で記者会見が行われた。
「現在の外科医数が少ないのか、というとそうではないが、外科医の志望者数はデータでみても年々減少している。このままでは10年、15年先に、外科医がいなくなってしまうという事態すら起こりうる。優秀な外科医が日本からいなくなるという由々しき問題が起こらないように、1つ1つ行動をし、努力していきたい」(同理事長 松本晃氏)。また、同監事の里見進氏は、「外科医のおかれている環境を改善するのが大事。ナースや医療事務員を充実させ、外科医が外科医らしい仕事に従事できる職場環境を作ることや、第三者機関を設けて訴訟リスクに減らすこと、労働条件の見直しなどが求められる。"スーパードクター"といった特別な外科医ではなく、日常の外科手術を行っている外科医たちにまず正当な評価・待遇をすることが重要」と医療現場の問題を明らかにした。
そのほか、同記者会見に出席していた医師の古川俊治参議院議員は「外科医は"ハイリスクローリターン"。外科医はまさに地域医療の生命線であり、ここを何とか維持することが日本の地域医療に欠かせない。政府も医療費の底上げを2025年に向け、引き上げることを目指している」と述べた。
今後、同団体では、教育、広報、行政への向けた展開を予定しており、一般市民に向けた情報発信や医療関係機関・外科医学会などと連携したセミナー/講演会の実施、政府機関に労働環境の改善などを呼びかけていくとしている。