WOWOWは7月12日に"全4作独占放送!「インディ・ジョーンズ」デー"と題して映画全4作品に加え、ドキュメンタリー『インディ・ジョーンズ 秘宝の謎』(11:30~13:10)と情報番組『アラマタ ジョーンズ』を放送。『アラマタ ジョーンズ』のMCを務める、作家の荒俣宏にインディ・ジョーンズの魅力などについて聞いてみた。

MCを務める荒俣宏

インディ・ジョーンズの大ファンという荒俣宏。日本での公開が世界各国から約1カ月遅れた第4作の『クリスタル・スカルの王国』公開時には、ロンドンの映画館まで足を運んだという大のインディ・ジョーンズ好きだ。そんな彼がMC役を務める情報番組『アラマタ ジョーンズ』を各作品(ドキュメンタリー『インディ・ジョーンズ 秘宝の謎』も含む)の間に放送。今回の番組では、荒俣がインディ・ジョーンズの衣装を着用するなど、見どころが満載だ。

――番組で着用したインディ・ジョーンズの服装はいかがでしたか?

荒俣宏(以下荒俣) : 「インディ・ジョーンズの衣装はアメリカ的なテイストであり、胸毛でも生えていないと似合わないのではないか? と思いました(笑)。僕自身、探検家の衣装に物凄く憧れていまして。以前、アメリカでカジュアル衣料を作っているバナナ・リパブリックというファッションメーカーが有名になった時、買いに行ったこともあるんですよ。実は、バナナ・リパブリックは探険家をフューチャーしていたんです。他にもハンティング・バックという肩から掛けるバックや、バナナ・リパブリックで帽子まで買いました」

――『アラマタ ジョーンズ』の見どころをお聞かせ下さい。

荒俣 : 「僕が古い浪漫のある考古学者の化身となり、この映画を繋げて見るとが如何に面白いのかということを宣伝しようと思っています。『アラマタ ジョーンズ』を見てから、もう一度本編を見てみようと思って下さったら有難いですね。また、インディ・ジョーンズのシリーズ自体が、もはや古代文明であるかのように感じました。もう一度、みんなでインディ・ジョーンズという文明を掘ってみよう! ということを伝えたいですね」

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
TM & (c) 2009 LFL

――インディ・ジョーンズの魅力についてお聞かせ下さい。

荒俣 : 「インディ・ジョーンズの第1作目からある、観客を待たせないスピード感が気に入っています。特に上海のミュージックホールのシーンから始まる第2作目が大好きで、この作品からファンになりました。"素敵な冒険"ですね。単なる肉体芸だけでは通用しませんから、かなり図書館に通って、知識を得ることも必要です。第4作目でインディーが"図書館ばっかり通っていても良い考古学者にはなれない"と言っていましたが、それは間違いだと思います(笑)。そんな要素が、この4作の至る所にあります。単に笑って見終わるのではなく、細かい部分の繋がりが段々わかって来ると面白いですね。例えば、第4作の最後の倉庫は、第1作で失われたアークを入れた倉庫じゃないか? というようなことですね。このような発見には、かなりの知的な発想が必要なのです。このように、インディーシリーズには、知的な文明が多く絡んでいます。そこがインディーシリーズの、最大のポイントでしょう」

――お気に入りの場面やエピソードを挙げて頂けますか?

荒俣 : 「まず第1作目は、ジャングルの中に遺跡が出てくる冒頭のシーンですね。従来のエジプトの遺跡とは全く異なるイメージで、とてもインパクトがありました。その後、一転してエジプトに入るという、あの流れには感動しましたね。この作品は1936年を舞台に制作され、当時は、マヤ文明やインカ文明が大変ブームになっていました。そこで、このようなシーンが作られたのでしょう。ルーカス自身も考古学を学んでいたからだと思いますが、かなり思い入れがあると感じ、とても気に入りました」

ドキュメンタリー『実在したインディ・ジョーンズたち』では、インディのモデルとなったとされる2人の人物の実像に迫る
(c) 2008 Blink Films

――考古学者としてのインディ・ジョーンズについてはどう思いますか?

荒俣 : 「古いタイプの考古学者ですね。生まれは20世紀の頭か、19世紀の終わりだと思います。当時は、皆が発掘を行っていて、ヒーローが続出した時期でした。中でも一番大騒ぎになったのは、ハワード・カーターがツタンカーメンを発見したことです。この時期は、彼に憧れを抱き、宝探しの夢を追いかける考古学者たちが活躍していました。そんな時代の特徴や性格を、インディは持っていますね。それまでは、文明人はなかなか辺境には馴染めないという、作品が多かったのですが、インディーはどんな場所へ言っても、スッと馴染んでしまいます。服装もカウボーイみたいな姿に変わりますね。これがアメリカ人にとって非常に良いかったのでしょう。また、知的で歴史的な要素も入っています。かつての自分の姿を投影出来るので、ルーカスにとってもやりがいのある映画だったと思いますよ」

――最後にインディ・ジョーンズファンにメッセージをお願いします。

荒俣 : 「このお話を頂いた時に、全4作を改めて見直したんですが、新発見がたくさんありました。まず、全体がいかに上手く繋がっているということ。次に、時代の雰囲気を上手く引き出していることですね。そういう細部に気付くことができ、改めて感動しました。今まで何度も見ている視聴者の方が、今回の特集をもう見ないというのは間違いですね。全作品を一度に見ると、細かい所が改めてわかりますので、この機会に是非、ご覧になって頂きたいと思います」

WOWOWでは、7月12日に『全4作独占放送!「インディ・ジョーンズ」デー』(11:25~22:10)と題してインディ・ジョーンズを大特集。映画全4作『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(13:15~15:25)、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(15:30~17:40)、『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(17:45~19:55)、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(20:00~22:10)のほか、ドキュメンタリー『インディ・ジョーンズ 秘宝の謎』(11:30~13:10)、情報番組『アラマタ ジョーンズ』(11:25~11:30他)を放送する。また、7月20日にはドキュメンタリー『実在したインディ・ジョーンズ』(17:00~17:57)も放送。