米Intelの最新技術や研究成果を報告する「Research@Intel Day 2009」が6月18日(現地時間)、米カリフォルニア州マウンテンビューにあるComputer History Museumで開催された。Atomの次期省電力プラットフォーム「Moorestown」で採用される電力管理技術「PPM」といった製品に近いレベルのものから、3Dインターネットのような研究レベルの技術まで、同社のさまざまな研究成果が紹介されている。

米Intel CTOのJustin Ratter氏

Research@Intel Dayは今年で7回目となるが、特にJustin Rattner氏が米Intel CTOに就任してからは毎年開催されるようになり、昨年2008年からは米カリフォルニア州サンタクララにある米Intel本社に代わり、シリコンバレーの名所でもあるComputer History Museumに会場を移しての開催となっている。Intelに限らず、半導体業界全体にとって厳しい情勢が続くなか、現状を打破するのはやはり技術革新に依る部分が大きい。Rattner氏はイベントの開催に先立ち、同社の研究開発部門であるCorporate Technology Groupの名称を「Intel Labs」に変更したことを報告、2008年のResearch@Intel Dayでプレビューが行われた「Platform Power Management (PPM)」の技術が次世代Atomの「Moorestown」に採用され、アイドル時の消費電力を現行モデルの50分の1まで低減することに成功したと、その成果を強調する。

Research@Intel Day 2008で紹介されたPPMの概要。今年後半に登場予定のMoorestownに採用されている

メニイコアや半導体プロセス技術に関する展示が比較的目立っていた2008年のResearch@Intel Dayに対し、2009年ではインターネットの利用法に関する話題が増えているのも特徴だ。Dispute Finderと呼ばれる、インターネット上での議論を追跡して事象の真偽を図るプロジェクト。ScienceSimと呼ばれる3Dインターネットのプロトタイプ。そしてRattner氏もたびたび話題にする仮想空間など、真面目な議論だけでなく、遊びやユーモアも交えた技術成果も含め、45以上のプロジェクトが展示されている。

Research@Intel Day 2009が開催された米カリフォルニア州マウンテンビューにあるComputer History Museumの外観

Research@Intel Day 2009については、Intelのページでたくさんの画像とビデオでその様子が紹介されている。興味がある方々はぜひチェックしてみてほしい。