債券連動型の上場投資信託「アジア国債・公債ETF(正式名称 : ABF 汎アジア債券インデックス・ファンド)」が19日、東京証券取引所に上場された。債券指数に連動するETFの上場は東証のみならず「日本初」。円ベースでアジアの債券市場へのアクセスが可能となり、ポートフォリオの効果的な分散投資に期待が寄せられている。
同ETFは2005年6月、ETFの組成業者であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザース・シンガポール・リミテッドによって組成され、同年7月に香港取引所上場。その純資産総額は約14.8億米ドル(2009年3月31日現在)に上る。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの山本幸次社長は「投資家の皆様にとっては、アジア債券市場への投資が身近なものになるだけでなく、ポートフォリオの効果的な分散投資に役立つ有力なツールとなると確信しております」と語った。
ETFの上場はアジア国債・公債ETFが61番目。東京証券取引所の斉藤惇社長は「アジア国債・公債のETFの上場により、東証ETFの連動対象が株・債券・商品・不動産と揃いました。アジアの金融市場に貢献するETFを私どものマーケットに迎えることができ、大変うれしく思います」とした。
連動対象となる「iBoxx ABF パン・アジア指数」は、アジア8つの市場(中国 / 香港 / インドネシア / 韓国 / マレーシア / フィリピン / シンガポール / タイ)の現地通貨建ての国債・公債が対象。ドイツやイギリスなどの主要先進国債券と比較すると、米国債との相関度が低く「効果的な分散投資を図りたい投資家にとって有益なツールとなりえる」(同社)。また、中国の国債・公債が組み込まれているので、個人投資家での中国元建て債券市場への投資が可能になるとしている。
株式と同様に証券会社を通じてリアルタイムに売買することが可能で、原則として半期ごとに収益分配される。最低投資金額は約1万円(2009年5月29日現在)で、取引単位は1口(香港証券取引所では10口)。東証銘柄コードは1349。