既報の通り、アップルは日本時間18日未明、iPhone OSの最新版「iPhone OS 3.0」のダウンロード提供を開始した。100以上の新機能が追加されたといわれるiPhone OS 3.0の中で、特に注目機能の1つがカット、コピー&ペースト機能だろう。その使い勝手を見てみよう。
iPhone OSは、これまでコピー&ペースト機能に非対応だったが、今回、iPhone OS 3.0でサポートされたことで、iPhoneの使い勝手がさらに向上した。時間がかかった分、ようやく登場したiPhoneのコピペ機能はなかなか優れたUIとなっている。
操作方法は簡単だ。たとえばSafariを使ってWebサイトのテキストをコピーする場合、コピーしたい部分をタップしてそのままホールドすると、拡大鏡と薄く青い選択エリアが表示される。そのまま指を移動させると、単語単位でエリアが移動する(日本語だと単語で選択されない場合もある)。指を離すと「コピー」というバルーンがポップアップするので、それをタップすればコピーが行われる。
選択範囲を変えたい場合は、青いエリアの始点/終点に青丸が表示されており、それをドラッグすればいい。何もない場所をタップすれば範囲選択は解消される。
タップ&ホールドした際に1文が選択できる場合もあるが、どの範囲が選択されるかはiPhone任せという印象で、このあたりはもうちょっと使い込んでみないと動きの癖は分からない感じだ。
ただ、いずれにしても操作は簡単だし、選択範囲の変更も容易なので、とりあえず適当に範囲選択して、それを移動させたり、範囲を拡大/縮小したりすればいい。
単に単語だけでなく、「段落」を認識するのも便利なポイントだ。この記事もそうだが、段落分けのために一行開けて次の文章を始めているような記事の場合、適当に範囲選択をして、そのまま青丸をしたに引っ張って改行位置まで来ると、選択範囲が自動で拡大し、その段落全体が四角く選択される。
この時、上下左右に青丸が表示されるので、それをさらにしたに引っ張ると下の段落を選択できる。さらに拡張するとテキストエリア全体まで範囲が拡張する。最初のタップ&ホールド時に選択範囲を移動していくと同様に全体の選択をすることができる。ちょっと文章では分かりづらいが、実際にやってみると選択範囲が自由に動いて便利だ。
同様に、テーブルによる表組みの各セルをタップ&ホールドすると、そのセルが一括選択される。選択範囲を狭めればその内部のテキストの一部だけを選択することもできる。
リンクの場合、リンクのタップ&ホールドでリンクの機能画面が表示されるので、「コピー」を選択すればURLをコピーすることができる。リンクのテキストを選択することはできないようだ。同様に、画像に関してもタップ&ホールドからコピーを選ぶことができる。
コピーしたテキストは、任意のアプリにペーストすることができる。ペースト方法は、タップ&ホールドで拡大鏡が表示されたら指を離すか、テキストエリアに2本指で触れればいい。コピー時と同様にポップアップが表示されるので、ペーストを選ぶとコピーしたデータが貼り付けられる。
コピペができるかどうかはアプリによって異なるほか、少しだけ操作方法が異なる場合もある。メールやカレンダーなどの場合、タップ&ホールドだと拡大鏡が表示されてカーソル移動になるだけで、カーソルを任意の場所に移動させて離すと「選択」「全選択」のポップアップが表示される。「選択」を選ぶと、Safariと同様に範囲選択が行えるようになる。
SMS/MMSの場合、テキスト単位での選択はできないようで、タップ&ホールドをすると、1つのコメント全体が選択されてしまう。
ほかにも、たとえば辞典ソフトなどでは、解説文の一部をコピーし、それを検索ボックスにはり付けてさらに検索する、といった使い方ができるようになる。
iPhone OS 3.0のコピペ機能は、派手な新機能ではないが、頻繁に使う機能だからこそ、使いやすさが重要になる。今回のコピペ機能では、細かな工夫も盛り込まれており、実用的な機能に仕上がっているようだ。