18日と19日の2日間、東京ビッグサイトにて開催されている、ケーブルテレビに関する国内最大のコンベンション「ケーブルテレビショー2009」にKDDIが出展した。同社ブースでは、固定回線サービスである「ケーブルプラス電話」の展示や、地域WiMAXを活用したソリューションビジネス、CATVネットワークを用いたワンセグのリアルタイム配信、MediaFLOといったモバイル放送関連の技術を展示・実演した。

KDDIブースでは浴衣姿のコンパニオンがお出迎え

ブースの外観は戦国時代の戦砦を模し、新たな通信競争時代の幕開けをアピール

ステージでは戦国武将をモチーフに、ケーブルプラス電話の寸劇が行われていた

地域WiMAXとはWiMAX技術を利用した無線ソリューションを指し、主に地域CATV事業者などがWiMAXの免許を取得、新たに無線通信事業者となって地域事業へのWiMAXの活用を促すというもの。UQコミュニケーションズとの直接の関わりはなく、KDDIは飽くまでも各地域でWiMAX事業を展開する事業者へバックボーンとなるソリューションの提供やサービスの提案などを行う立場となる。

現在のところ41社が契約に至っており、そのうち数社はすでに試験サービスを開始しているとのこと。説明員によると、各地域における公共インフラや、防災・防犯関連での情報伝達手段としてWiMAXを活用する事業を想定しているという。

同社がWiMAX事業者としてCATVをパートナーに選んだ理由は、有線による地域に密着したインフラが整備されている点を挙げ、WiMAXを通信のラストワンマイルとして活用しやすいためだという。

地域WiMAXはまだまだこれからの分野であり、KDDIとしてもソリューション展開に力を入れるとしている

参考展示されていたUQ WiMAXの端末。地域WiMAXでも、事業内容によってはこういった端末が活用されることになるという

ワンセグのエリア配信(エリアワンセグ)では実際にデジカムで撮影しながらリアルタイムでワンセグ放送を行うデモを実演。新たな広告媒体としての役割や、スポーツ観戦などでの実況中継などへの活用も視野に入れる。

MediaFLOはすでに海外で導入されているモバイル放送で、現在のワンセグよりもフレームレートが高く、より高品質な映像配信が可能な規格として注目を集めている。日本国内ではアナログ地上波が停波する2011年以降の実用化を目指しており、KDDIとしては現在のワンセグを置き換える次世代のモバイル動画配信規格にしていきたいと説明員は語る。

ワンセグのリアルタイム配信の実演デモ。若干のタイムラグはあるものの、映像を実況中継できるというメリットは非常に大きい

ワンセグのエリア配信は非常に狭い空間をスポット的につかうことができるため、デジタルサイネージの分野での活用が期待される

すでにアメリカなどでは実用化されているMediaFLO。日本ではアナログ地上波の電波帯が利用される予定

ベライゾンやAT&Tで発売されているLG電子製のスマートフォンなどが展示。またUSB接続タイプの受信端末のモックも並べられ、PCなどでの活用も示唆した

(あるかでぃあ/K-MAX)