田中貴金属工業は23日より、金・プラチナの買い取り基準を明示する貴金属ジュエリーリサイクルシステム「RE : TANAKA(リ・タナカ)」を直営店・特約店の計29店舗にて開始する。

RE : TANAKAのロゴマーク。金とプラチナをイメージした2色が使用。「resource」「recycle」「reference」の「R」には、同社や貴金属ジュエリーリサイクルについて理解してもらいたいとの意味が込められているという

同社によると、金・プラチナの供給量は減少傾向にあり、輸入に頼らざるを得ない日本にとっては、国内での安定調達が求められている。そうした中、ジュエリーからの金・プラチナのリサイクル量は右肩上がりで増えているが、ジュエリーリサイクルの参入会社がそれぞれ独自の買い取り価格や手数料を設定しているため、一般消費者にとっては「適正価格が不透明」といった懸念があったという。

同社では、貴金属に特化した蛍光X線検査装置を各店舗に導入。同装置で鑑定したジュエリーの貴金属価値に対して、当日の金・プラチナ相場を反映させた全国統一の買い取り価格を明示するという。また、同社のWEBサイト上で毎日、買い取り価格を公表する。

金・プラチナ・銀を主成分とした貴金属製品の鑑定に特化した検査装置。ワンクリック操作で測定時間はわずか20秒(1個あたり)

記者発表会に登壇した同社執行役員 貴金属部部長の池田収氏

買い取りの対象は貴金属のジュエリー製品(時計は除く)。付属するダイヤモンドなどの石などは「可能な限りお返しする」(同社)としている。買い取ったジュエリーは再販・転売は行なわず、同社の向上にて不純物を取り除き、純度の高い貴金属資源に精錬後、地金・工業用製品・ジュエリー製品などに加工する。なお、RE : TANAKAで得られた収益の一部は地球環境保護に寄付する予定で、検討調査中とのこと。

同社は、初年度の取扱量を貴金属ジュエリーリサイクル市場シェアの20%を目標として設定。また、年内に特約店の参加店舗を40店舗に拡大する予定だ。