東日本旅客鉄道(JR東日本)は17日、新型新幹線車両「E5系」の量産先行車を公開した。外観はトンネル微気圧波を低減するための「長い鼻」が特長で、最高運転速度は国内最速の時速320km。同車両は15日から試運転を始めており、2010年12月予定の東北新幹線新青森駅に合わせて営業運転を開始する予定。
E5系量産先行車に搭載された新技術は「環境性能」「走行性能と信頼性」「快適性」の3つがテーマという。「環境性能」面では、先頭車を独特のロングノーズにデザインし、トンネル微気圧波を低減させた。また、台車はカバーで覆われており、車両同士の連結面は全周ホロを採用した。パンタグラフも小型化し低騒音タイプとした。これにより、列車全体の空気抵抗を減らしつつ、風切り音の低減を図っているという。
「走行性能と信頼性」については、パンタグラフの集電装置、主回路装置、ブレーキ装置について新技術を投入したとのこと。全車両に新型のフルアクティブサスペンションを採用し、車体傾斜装置によって曲線通過時の乗り心地を向上させているとのこと。
「快適性」については、客室の設備を充実させている。グリーン車座席には電動レッグレスト、可動式枕、座席内蔵タイプの読書灯を装備。コンセントは各座席の下にひとつずつ用意されている。普通車座席も可動式枕と読書灯を装備した。コンセントは窓側座席の壁と車端部に用意されている。普通車のシートピッチはE2系と比べて60mmも拡大。座席幅もE2系より10~25mm拡大したという。テーブルは大型化され、A4サイズのノートPCが乗るサイズとなった。内装色はグリーン車、普通車とも暖色系で落ち着いたナチュラルカラーを採用したとのこと。
1号車と5号車には大型トイレスペースを設置した。改良型ハンドル形電動車椅子も乗り入れ可能で、5号車にはオストメイト対応設備も用意したという。また、1、3、5号車には女性専用トイレと洗面所を設置している。デッキ部には防犯カメラと対話式の非常通報装置も設置され、安全面にも細心の注意が払われているという。